第四章 監禁  

 



恐ろしい一夜が明けた。泣きながらいつの間にか眠ってしまっていたらしい。地下室にお
りる鉄の階段がカチンカチンと音を立てて、信代が二人の監禁されている檻のほうに近づ
いてきた。母娘は蒼い顔で身を寄せ合い、ふるえている。恐ろしさとおぞましさに母娘は、
身体が竦んで動けない。
 
「メスども、出ておいで!」
 
ガチャリ、と閂を外すと、信代はぐい、尖った顎をしゃくる。
 
酷薄きわまりない声に二人はビクッと全身をふるわせる。後ろ手にくくられた状態なので、
身動きも自由にならない。顎を冷たい床に付き、芋虫のように這って檻の戸を潜った。よ
うやく縄を解かれると、母娘は、哀愁に満ちた表情を浮かべ、乳房を抱きしめる。乳房の
上下にも、手首にも厳しく縛められた縄の痕が赤く残っていた。
 
「へへへ・・・奥さん、すっ裸とはうれしーじゃねーか」
 
信代の背後から声がした。
 
「あぁ、・・・あ、あなたは、さ、佐藤君!ど、どうしてここに?!」
 
めぐみは目を瞠った。信代の後ろに付いてきた少年はめぐみのクラスメートで番長格の良
治であった。札付きのワルで、今まで何人もの女生徒やOLなどを仲間とともに襲っては強
姦事件をひっきりなしに引き起こしたダニのような少年であった。良治は前々からクラスメー
トのめぐみの美しい母親に目をつけており、機会をねらっていたのだ。
 
「へへへへ・・・どうしてだろうね。そんなこたぁ、どーでもいーじゃねーか。
 
それよか、今日、たった今から、俺様を佐藤君などと気安く呼ぶんじゃねー、良治様と呼び
な、へへへへ・・・それから、おかあさまよぅっ・・・お母様も一緒に、良治様と呼ぶんだぜ。
分かったな、おい、高山千絵!」

 いきなり呼び捨てにされて、千絵は顔色を変えた。
 
「二人とも、よっく聞くんだよ。これからお前はここで、生活するんだからね。いろいろ不便だ
ろ?だから、良治をお前たちの世話係りをしてもらうことにしたんだよ。まあ、せいぜい良治
の機嫌を取って、親切にしてもらうことだね。なんてったって、大小便の世話までしてもらう
んだからね。」
 
信代の言葉に、二人は色を失った。ダニのように忌み嫌っている、不良の良治の機嫌をと
らねばならない。しかも、娘と同年の年下の少年をご主人様同様、敬い奉って機嫌を取り
結ばなければならない。そうした屈辱を味合わせ、徹底的に主人の意のままになる牝奴
隷に変えてしまおうというのである。信代の悪魔のような考えに、母娘は身が凍るほど戦
慄し、わなわなとふるえるばかりであった。
 
「それじゃ、良治、しっかり世話をするんだよ。牝どもを甘やかしちゃいけないよ。」
 
含み笑いをしつつ、信代は二人に背を向けた。
 
「へへへへ・・・それじゃ、まずご挨拶からだ、もう、牝の挨拶の作法は姐さんから、教えても
らったんだろ?」
 
良治は、いよいよ残忍さを発揮してきたようだ。屈辱をぐっと堪えて、二人は爪先立ちになり、
下肢を左右にひらいて、ちんちんの姿勢をとる。

こ、こんな男に・・・つ、つらいっ・・・つらいわっ・・・・
 
二人の気持ちをよそに、良治はにんまりしながら、婦人物のハンドバッグを取りだした。千絵
が使っていたブランドものの高級品である。良治が中から取りだしたものは、フリルのついた
純白のパンティーであった。良治はそれを千絵の鼻先に突きだした。
 
「へへへ、奥さんよう、これが何だか分かるかい?・・・奥さんが昨日まで穿いていたパンティ
ーじゃねーかなー、へへへ・・・奥さんたちは、もうこんなもの要らねーんだよな、だったら、俺
にくれねーかな?奥さんたちが牝になった記念に取っておきてーんだよ。仲間にも見せびら
かして自慢してぇな。これが高山めぐみのお母様のお穿きになったパンティーなんだよって。」
 
良治はわざとパンティーの股布の部分を拡げて、これみよがしにくんくんと匂いを嗅いで見せ
た。
 
「うむ、少し沁みになってるじゃねーか、え、お母様ようっ、この沁みは何だろうなーへへへ・・・」
 
二人は泣き出した。良治はかまわず続ける。
 
「え、どーなんでー?パンティーをくれるのかよー。え、それとも、俺みたいなちんぴらなんぞ
にやるものなんかねーとでも言うのかい?」
 
わざとすごんで見せるところがなかなかの役者である。母娘は泣く泣く承諾した。
 
「わ、わかりましたわ・・・も、もう、あ、あたしたちには不要のものです・・・りょ、良治様にさ、さ
しあげます・・・」
 「そうかい、くれるんだな。ありがとよ。じゃ、これに一筆書いてもらいてーんだ。何もなきゃ、こ
れが高山千絵のパンティーだなんて、誰も信じねーからな。」
 
ノートの切れっ端とボールペンを千絵に突きつけて、良治は要求した。
 
「いいか、俺の言うとおりに書くんだぜ。へへへ・・・
 
あたくし、高山千絵は、娘のめぐみともども、この度黒羽剛蔵さまの牝になりました。今後はパ
ンティーを穿くことの許されない身になりましたので、今まで娘がお世話に鳴りました、クラスメ
ートの佐藤良治さまに、感謝の気持ちをこめて、千絵のパンティーを差し上げることにいたしまし
た。おい、ちゃんと、書いてるか、え・・・・よっしゃ、見せてみな、うん、これでいい。」
 
良治は嬉しそうに肌着ともども紙をジーンズのポケットにねじ込んだ。
 
「さてと・・・・・」
 
良治は、唇をかみしめてちんちんの姿勢のママ震えている母娘の顔を小気味よさそうに覗き込
んだ。
 
「めぐみ、小便かい?」
 
若い娘は真っ青になった。それだけは死んでも堪えなければと思った。しかし、先ほどから尿意
は激しさを増している。必死で堪えていても膝頭ががくがくするほどであった。
 
「へへへ・・・我慢するとからだによくねーぜ、めぐみよう!」
 
ヘラヘラ笑いながら、象牙のように白いすべすべした白い太腿を良治は撫で上げた。
 
「さ、触っちゃ、いやっ・・・へ、変態っ・・・」
 
ぞくっとするほどの悪寒にめぐみはうわずった声で叫んだ。
 
「甘ったれんじゃねー」
 
良治はいきなりめぐみの頬を張った。
 
「てめーらは、お××こ丸出しのまま、いつでもやられ放題の牝じゃねーか。え、どうなんでー?」
 
めぐみは髪の毛をひっつかまれ揺すぶられた。
 
「め、めぐみちゃん・・・・りょ、良治さんにさ、逆らっちゃ、駄目よ・・・・」
 
千絵はおろおろと娘を叱った。
 
「良治さん・・・い、いいえ、良治さまぁっ・・・お、おっしゃる通りです・・・あ、あたしたちお××こ
牝です・・・・」
 
千絵は、娘への暴力を許してもらおうと必死で媚態を示した。
 
「良治さま・・・千絵も、千絵も、さ、さっきからおしっこしたいの・・・・さ、させて下さいまし・・・・」
 
千絵は目を閉じて、良治の肩に赤らんだ顔を載せてねだった。
 
「へへへ・・・そうかい、そうかい、たまってるんかい?え、」
 
千絵は恥ずかしそうにコクン、と頷き、目を伏せた。 良治は片隅に転がっていた洗面器を手に
取ると、千絵の前に置いた。
 
「さ、じゃ、これに垂れ流しな、千絵!」
 
「め、めぐみちゃん、も、もう・・・あ、あたしたち人間じゃないのよ・・・牝なのよ、牝なの・・・これ
からは、良治様におすがりして、可愛がっていただくことだけを考えなきゃ駄目!」
 
千絵は叫んだ。自分に言い聞かせるよう、自分を納得させるよう必死だった。目を閉じ、洗面
器の上に跨り、ゆっくり腰を沈めていった。良治はニヤニヤ笑いながら、自身もしゃがみこんで
夫人の股間を覗き込む。
 
「うっん・・・そ、そんなにご、ごらんになっちゃ、嫌っ・・・し、しぶきがかかっちゃいますっ・・・」
 
「へへへ、俺ならかまわないぜ・・・」
 
良治は千絵の真横にぴったり寄り添って、白い尻を撫で上げながら命じた。
 
「さ、たれ流しな!」
 
「はい・・・・」
 
千絵は、うっ、と声をあげると、ついに不良少年の前に生き恥をさらしたのである。股間から白
い一筋の線が伸びると、勢い良く洗面器の底を叩き始めた。
 
「おかあさまっ」
 めぐみはあまりのことに泣き出した。母は臀を撫であげられながら、洗面器に放出している
のだ。
 
「良治さま・・・おねがい・・・・おっぱいを・・・・」
 
千絵はそうねだると、ポオッ、と頬を染めた。
 
「よしよし・・・」
 
良治は痺れたような感覚を味わいながらも、手に余る豊満な千絵の乳房をわし掴みにしてや
わやわと揉みしだいた。年上の美女の甘く濃厚な香りが良治の鼻孔をせつなくくすぐる。いじ
らしさと哀れさに、女遊び慣れした良治も泣きたいような思いにかられ、思わず花のような唇を
奪った。千絵はおずおずと良治の口内に舌を差し入れて吸って応えた。

「きっと・・・・・きっと、千絵、かわいいお××こ牝になるわ・・・良治様、千絵がお××こ牝として
ご不満だったら、千絵を、うんとお仕置きしてね・・・」
 
千絵は泣き声で誓った。
 
「その言葉を忘れるんじゃねーぜ、奥さん、」
 
「はい・・・良治さま・・・・」
 
トトト・・・と最後の水音をたてて、千絵の放尿は終わりを告げた。真っ赤な顔を上気させて、千
絵は良治の耳元にささやいた。
 
「うっん・・・良治様ぁっ・・・お××こ牝の千絵、おしっこ終わったみたい・・・お、お尻を拭いて下
さる?・・・」
 
「よしよし・・・」
 
良治はティッシュで優しく千絵の股間を拭ってやった。その間、千絵は観念しきった表情で目
を閉じていた。もう抵抗しても無駄だと思った。堕ちるところまで堕ちるしかないのだ。これから
は、娘ともども、旦那様のお気にいるような牝として、甘い色香をふりまいて精一杯、肉のつと
めを果たすしかない。そんな千絵の哀しい気持ちが娘にも伝わったのであろうか。さっきとは打
って変わった態度で良治に声をかけたのだった。
 
「良治さまぁっ・・・さ、さっきはごめんなさい・・・お、お××こ牝のめぐみも、めぐみも、お、おしっ
こしたいの・・・お、おねがい・・・お××こ牝のめぐみにも、洗面器を・・・」
 
男の気を引こうと、娘はけなげにも、いっぱいに股をひらいた。
 
「ねぇっ、お××こ牝のめぐみのお××こ、良治さま、お、おわかりになる?・・・これから、いつ
も、おかあさまと一緒にまるだしにして、旦那様にあそんでいただく、千絵の大事なところ・・・め
ぐみ、ここからおしっこしたいの・・・・・・」
 
「へへへ・・・めぐみ、ずいぶん聞き分けが良くなったじゃねーかよ。え、」
 
「うぅっん・・・・だ、だって、こ、これから、めぐみも、おかあさまも、良治さまに、おしっこやウンチ
の面倒を見てもらわなければならないんですもの・・・ほ、本当に感謝してるの・・・・」
 
乙女の精一杯の媚態であった。ぴったり乳房をすりつけて腰にすがりついている千絵の臀を撫
であげながら、良治は娘の放尿を正面から眺めた。
 
「お、お笑いになっちゃ、嫌よ・・・」
 
めぐみは洗面器に腰を落とすと、放尿を始めた。
 
「へへへ・・・めぐみ、よく見えねーな。もうちょっと、腰を上げな!」
 
「はい・・・・」
 
めぐみは、素直に腰をあげ、中腰になり、すべてを晒したのであった。

  

               cccccccccccccccccccccccc

 

放尿を済ませてから、良治はシャワーを浴びるよう、母娘に命じた。地下室の一隅に備え付け
た粗末なシャワールームはカーテンひとつなく、二人は良治の監視の下でシャワーを浴びた。
諦めきった様子で、シャワーを浴びている二人の抜けるような全裸を鑑賞しつつ、良治は身体
測定の準備のため、カードとメジャーを取り出す。信代から命じられた牝奴隷の管理業務の一
つで、スリーサイズのみならず、からだの隅々に至るまで測定し、書類に記録しておかなけれ
ばならない。剛蔵の書斎には、何冊もの「牝奴隷ファイル」が備え付けられているが、千絵たち
の記録もここに綴じ込まれることになっていた。良治による丹念で、執拗ともいえる測定に喘ぎ
悶えながら、検査を終えた頃、再び信代が地下に下りてきた。手にしたトレイには簡単な軽食
が添えられている。そういえば、拉致されてから、何も口にしていないことに母娘は気づいた。
食欲はまったくなかった。
 
「さ、お食べ、もう昼過ぎだからね。千絵はこの後、調教部屋入りするんだから、夜半まで何も
食べさせてもらえないんだよ。」
 
無言のまま、二人が食事を摂る間、信代は良治が記録していたファイルを点検している。
 
「うむ、千絵はバスト九〇、ウェスト六〇、ヒップが九二、めぐみのほうは・・・バストは八二、ウェ
スト55、ヒップは八四か・・・千絵に比べると、まだ肉付きはもう一つだけど、これからたっぷり男
の精を吸って、めきめき女っぽくしこんでやるからね・・・」
 
記録は、乳間距離とか、乳輪の面積、乳頭の高さ、色艶、陰毛の形状、長さ、毛質、陰門の縦
幅、横幅、肛門までの距離など詳細をきわめている。しかし、信代はまだ不完全だと思った。
 
「めぐみの初交はと、・・・平成××年八月××日午前一一時三〇分、初交の徴として、左乳
房にタバコの火、よし・・・良治!それと、めぐみの発情時の乳首の硬さと勃起度、それと愛液
の量もこれから必要になるよ・・・めぐみ、お前、メンスはいつごろだね?」
 
めぐみは、真っ赤になって啜り上げながら応える。 「つ、月始めです・・・・」
 
「うむ、千絵、お前は?」
 
「は、はい・・・・ち、千絵の、げ、月経は・・・一、一五日ぜ、前後です・・・・」
 
消え入るような声で応える千絵の姿を心地よげに眺めつつ、信代はさらに書類を確認していく。
 
「千絵の乳輪はと、・・・おや、千絵、発情時はずいぶん、乳首が勃起するんだねぇ。やはり、
お前は底なしの好きものなんだねぇ。」
 
露骨な品評に二人は食事も喉を通らない。
 
「うむ、とりあえずは、これでいいだろうね。後は社長の前であらためて検査してもいいからね。
じゃ、良治、ご苦労、下がっていいよ。」
 
良治は名残惜しそうに二人の姿を見つめた。しかし、信代の前では駆け出しのちんぴらでしか
ない。良治は肩を竦めて、階段を上がっていった。
 
「さて、食事も済んだことだし・・・千絵の調教タイムの時間が迫っているからね。その前におめ
かししておこうかね。」
 
信代は鰐皮のハンドバッグを開けた。牝には一切着衣を許さない変わりに、美容と健康状態に
は万全の注意を払うよう、剛蔵に厳命されていたからだ。ちんぴらの良治にはそうした仕事はで
きない。 千絵はシャワーで濡れた二人の髪をドライヤーで乾かし、きれいにセットしてやった。
フランス製のオー・ド・トワレをたっぷりふりかけ、薄化粧を施しルージュを唇に塗ると、二人とも
同性の信代の目からもふるいつきたくなるほどの美しさである。 
 
「さ、仕上げはこれだね。」
 
牝奴隷にふさわしく、足の爪にも真っ赤なマニュキュアを施したうえ、黒々とした陰毛に赤いリボ
ンを結びつける。最後は革製の首輪を二人に取り付けると、ロープを取りだした。
 
「さ、千絵、行くよ。めぐみは呼ばれるまでここで待機してるんだよ。」
 
「お、おかぁさまっ・・・・」
 
めぐみは我にかえったように叫んだ。
 
「お、おねがいですっ・・・・ひ、ひとりにしないでっ・・・め、めぐみもいきますっ・・・」
 
若い娘は泣きながら哀願した。
 
「何いってるんだい。別に千絵を殺そうというわけじゃないんだよ。牝としての調教を受けなきゃ
ならなりだけなんだからね。お前はおとなしく待ってりゃいいんだよ!」
 
信代はあざ笑った。
 
「め、めぐみちゃん・・・・マ、ママは大丈夫よ、きっと帰ってくるから・・・・あ、安心してっ・・・」
 
千絵も泣き声をあげた。
 
「さ、ぐずぐずするんじゃない。遅れれば遅れるだけ稽古は辛くなるだけなんだよ。さっさと手を
後ろに回すんだよ。今日は特別に這って行くことは許してやるからね。」
 
「はい・・・・あ、ありがとうございます・・・」
 
千絵は素直に両手を後ろに回した。腰の上で両手首を括られると、千絵はうなだれて、おずお
ずと信代の後について地上に上がる階段を登っていった。







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