第18章 喪失
陽射しが傾いてきた。風が冷たくなってきたようだ。長い初夏の午後もようやく、暮れ
ようとしている。母娘は、うっすらと眼を開けた。どのぐらい失神していたのだろう。二人
は広大な剛蔵の邸の庭園の芝の植え込みに、突っ伏していた。
今日は、何度犯されたのだろうか。
日課である庭掃除を終えたら、地下牢に繋がる納屋の入り口で良治を待たなければなら
ない。労務を終えた牝を牢に戻すのが良治の務めであった。 遅れると、どのような咎め
立てをされて、また格好の仕置きの理由にされることは目に見えている。
しかし、今日ほど、母娘にとって不運な日はないといってよかった。戻ろうとするところを、
獣のような男たちに捉えられ、庭先に引き戻されて輪姦される。嵐のような手荒い陵辱
を終えて、男たちが去っていって、母娘が褌を身につけようやく、屋内に上がったとたん、
再び廊下の奥から、銀次が現れたのだ。
二人は泣く泣く、褌を外して開脚の姿勢で、甘ったるく性交をねだらなければならなかった。
銀次は、母娘をまた、庭先に引き出して奉仕をさせた。そして、銀次の後も、その後も、母
娘は何度ととなく庭先に引き戻されては、犯されたのだった。
ラメ入りのハート形をしたバックルの毒々しいバタフライ一枚で辛うじて性器を隠したあられ
もない姿で庭掃除をさせられている母娘を最後に襲ったのは誰だっただろう。二人は身も
心もぐったりと疲れ切って、憶い出すことすら叶わぬ状態である。最初に醒めたのは娘の
めぐみのほうであった。すぐ横に美しい母が、全裸のままうつ伏せの状態で失神している。
輝くばかりの母の白い肌には、玩弄の痕も生々しく、男たちによって刻印された咬み疵
や、赤黒く変色したキスマークが点々と残っている。
「お、おかあさま、お、起きて、も、もう牢に戻らなければいけない時刻よ・・・・」
おろおろと娘は、母を揺り起こす。
「あむっ、むむっ・・・・・」
寝返りを打って、全裸の母はうっすらと眼を開けた。最前の濃厚な情交の余韻が残って
いるらしく、身を起こすのももの憂げである。眼を上げると、横座りになって自分の肩を揺
すっている可憐な娘の姿が目に入った。めぐみも、また全裸で、白い肌には点々と爪痕
や鞭痕が残っており、陵辱の後もなまなましい。
「あぁ、も、もう、こんな時間なのね・・・、今日は、何度、おつとめしたのかしら?」
千絵は乳房を抱きしめて、つぶやくと、ほつれた髪の毛を押さえながら、先刻剥ぎ取ら
れたばかりのバタフライを探した。それは、ツツジの植え込みの中に投げ込まれている。
「い、急がないと・・・良治さまを、お待たせしたらいけないわ・・・・」
ずぼらな性格の良治だが、信代が怖ろしいのか、メスを牢から連れ出す時間だけは遅れ
てきたことがない。お座敷芸のお披露目なり、夜の調教なり、牝につとめを果たさせるべ
く、良治が牝を牢から引き出すのは、早めであった。遅れると信代に厳しく叱責される。
少しでも、空いた時間にメスを弄んで愉しみたいからなのだ。真っ赤なバタフライはかろう
じて、陰門を隠す程度である。肌にこびりついた、千切れた芝草を払い落とし、千絵は、締
め終わると娘の方を見やった。めぐみは、蒼い顔でおどおどとあちこちを這っている。
「ど、どうしたの?めぐみちゃん、は、早く、バタフライをつけなきゃ遅れるわ・・・・」
おずおずと母が声をかける。とたん、娘はわぁっ、と泣きだした。
「お、おかあさまっ、ど、どうしましょう?な、ないの・・・・めぐみの、バタフライがないのよ・・・」
母はハッと息を呑んだ。信代に貸し与えられた小さな布片を失くしたとなると、どんな咎め
立てをされて仕置きされるかわからないのだ。
「よ、よく探したの?あ、あるはずよ・・・さ、さっきまで身につけてたでしょ?」
「さ、探したわ・・・さ、最後は、金子さまのお相手をしたときに、外してそこのプランターの脇
に置いたはずなの・・・・そ、それがないの、ないのよ・・・・」
めぐみは泣きながら、必死で灌木の間を探り、赤い布片を探し求める。
「な、ないわっ・・・ないの・・・・バタフライがないの・・・・お、おかあさまっ・・・・ど、どうしたらい
いの・・・・」
二人は泣きながら、必死で周辺を探り歩いた。真っ赤なバタフライは眼につきやすいはずな
のだ。陽の沈みかかった庭園内を、二人の牝奴隷が、必死に這い回りながら、探し求める。
ツツジの植え込みを、ベンチの下を、灯籠の下を、池の縁から、細い小径をうろうろと探し続
けた。しかし、母娘の必死の捜索にもかかわらず、めぐみのそれは見あたらなかった。
「ないわ・・・・あぁ、ど、どうしましょう、ど、どうしましょう?」
千絵は空を仰いだ。
「め、めぐみちゃん、お、思いだして、さ、さっき、どこに置いたの?」
「こ、ここまでは来てないわ・・・さ、さっき、めぐみがお相手した方は、金子さまよ・・・あ、あそ
この松の木の下で、めぐみ、バタフライ外しておねだりしたの。そ、そこで、捧げて失神してし
まったんですもの、そこからどこにも行ってないのよ。おかあさまもでしょ?」
「し、しかたないわ・・・・め、めぐみちゃん、これを使って」
母は着けたばかりのバタフライを外して娘に手渡す。
「お、おかあさま、そ、それでは・・・」
「マ、ママはいいの。叱られたらお仕置きを受けるのはママのほうよ。」
「で、でも・・・」
「早くしなさい・・・ぐずぐずしてると、またどなたかに捉えられておつとめしなければならないこ
とになるわ・・・そ、そうしたら、牢に戻るのも遅くなってしまうでしょ・・・」
おろおろと娘をなだめすかしてバタフライを着用させると、からだを支え合って建物内に入ろう
としたところであった。
「あぁっ、お、おかあさま、沢田さまが、沢田さまが、い、いらしたわ・・・・」
狼狽えた声で娘が母に告げる。長い廊下の奥から専務の沢田が姿を見せたのだ。剛蔵の腹
心で、債鬼の沢田という異名を取った酷薄な男である。牝は、男の姿を見かけたらすぐにバタ
フライを外して、ちんちんの姿勢で性器を丸出しにして挨拶しなければならないきまりである。
さんざん弄ばれ、犯され続けた母娘は、疲れ切って休みたかった。狭くて暗い地下牢ではある
が、僅かな休息はできるからだ。しかし、男の姿が眼に入るかぎり、それは許されないのだ。
めぐみは母から貸与されたばかりのバタフライを外さなければならなかった。母娘は涙を拭う
と、並んで、ちんちんの姿勢で沢田を待つ。早く牢に戻らねば、でも、屋敷の男の姿を見たら、
すぐに股をひらいて、肉交をねだらなければならない。それが牝のさだめである。
「沢田さまぁ、お××こ牝のめぐみですぅっ・・・ごきげんいかがぁっ・・・・・」
「沢田さま、ごきげんいかがぁっ、お××こ牝の千絵ですぅっ・・・・」
二人の白い喉から同時に、甘ったるい声で牝の挨拶がほとばしり出る。沢田は、性器をむき
出しにしてちんちんの姿勢で自分に挨拶する母娘を見下ろした。白い肌には点々と赤い鞭跡
と縄目、キスマークが残り、情交直後であることが歴然としている。
二人とも陰毛を剃り落とされて無毛の恥丘が丸見えである。しかも、ラビアとクリトリスにはピ
アスが施されて、カネのリングがはめこまれている。沢田は、娘が外したバタフライに眼をや
った。小さなハート形のバックルは、ラメがキラキラと煌めき、牝の性器を強調するかのようだ。
沢田はそれを手に取ると、弄びながら二人の股間に眼を注いだ。
「うっん、沢田さまったらぁ、千絵のお××こ隠しなんか、どうでもいいでしょ?千絵、もう、お×
×こ隠し取っちゃってるわ・・・・・」
「めぐみも、お××こまるだしにしてますぅっ・・・」
慌てて、千絵はそう声をかけると、白魚のような指先でラビアをくつろげて内部を剥き出しにし
てみせた。めぐみも、母に倣って左右に膝をひらいて、一八〇度近くまで開脚する。これ以上
は無理というほど性器をむき出しにして、声をあげる。
「あぅっん、沢田さまぁっ、お××こ牝のめぐみ、お××こ、まるだしだわ・・・・お母さまの、お×
×こと、どっちが、お気に召しまして?」
二人は男の注意を逸らそうと必死である。沢田は母娘の濡れそぼってヒクヒク蠢くピンク色の
ラビアに釘付けである。
「ねぇっ、ねぇっ・・・・ご、ご覧になってるだけじゃ嫌っ・・・・牝のお××こは、ごらんになるだけ
のものじゃないわ、・・・・」
「じ、焦らしちゃ嫌よぅっ、沢田さまぁっ・・・」
甘い媚びを湛えた母娘の色香に、沢田は思わず陶然となって、股間を熱く怒張させた。
「大分聞き分けがよくなったじゃないか、え、奥さんよぅ。この間の白黒ショウは、なかなかの
奮闘ぶりだったじゃないか。」白い千絵の太腿をさすり上げながら、沢田は千絵の表情を眺
める。
「い、いや・・・・そ、そんなことおっしゃっちゃ、は、恥ずかしいわ・・・・」
千絵はうっとりと眼を閉ざし、進んでキッスを求めた。男はそれに応じて唇を吸うと、千絵は
舌を差し入れて男の舌と絡ませて、吸い上げる。
「孕んだのかい?おめえたちは」
二人は、真っ赤になって激しく首を振る。
「まあ、いいだろ、ところで、奥さん、おめえのバタフライだけどな」
母娘はビクッと躰をふるわせた。
「奥さんのバタフライはそれだが、娘のバタフライはどうしたんだ?え、」
「そ、それは・・・・」
「失したのか?え、」
「ち、ちがうわ・・・めぐみは、最初から、お、お××こ隠しつけてないの・・・・」
「へーえ、どうしてだ?」
「だ、だって、めぐみ、いつ、お××このご奉仕しなければならないか、分かりませんもの・・・・
それに、お××こをバタフライで隠してるなんて、い、いけないことだと思ったの・・・」
「ふざけんじゃねー」
沢田は怒鳴りつけた。その勢いにガラス戸がブルブル、と震える。
「デタラメ言うのもいい加減にしやがれ!ちょっと、甘い顔してりゃつけあがりやがって、てめえら
がバタフライを庭で探してたのを、オレ様が知らねーとでも思ったのかよ!」
母娘はひぃぃっ、と泣き声を上げると、左右からピッタリ男の脚にしがみつき、哀願し始める。
「ご、ごめんなさい・・・・う、嘘を突いてました・・・・うぅっ、・・・・今日は、昼過ぎから何度も、お××
このおつとめをしなければならなかったの・・・・さ、さっき、失神から醒めたとき、さ、探したんです
けど、ど、どうしても見つからなかったんですぅっ・・・・・ご、ごめんなさい、ゆ、ゆるして・・・」
唇をふるわせ、必死で哀訴する。
「甘ったれるんじゃねー。おい、千絵。この不始末どう落とし前つける気なんだ?え、」
「そ、それは・・・・」
沢田は美しい母奴隷の肩を抱き、指先でラビアをなぞり、ピアスを弄り回しながら訊ねる。
「肝心のここを隠しているものを失した場合の仕置きはどうするか、分かってるだろ?え、」
「か、堪忍っ、かんにんっ・・・・」
千絵は泣き出した。バタフライを失したら、お××こ30打ちだと信代に幾度となく言い渡され
ていたのだ。
「どうなんだ?千絵!」
「ゆ、ゆるしてっ・・・・お、お慈悲ですっ・・・」
「馬鹿野郎!聞かれたことに応えろ!え、バタフライを失したときの罰はどういうものか、信代
姐さんに教えられるだろうが、え、」
「は、はい・・・・」
「どういう仕置きだ?え、千絵」
「ゆ、ゆるしてっ・・・・お、おねがいっ・・・」
「どういう仕置きなのか、聞いてるんだ。応えろ」
母娘は泣きじゃくりながら、ついに口にした。
「お、お××こ牝が、お、お××こ隠しを、な、失くしたときは、・・・・失したときは・・・、お、お××
こ打ち、に、二〇回です・・・」
「そうだな、それじゃ仕置きされても文句はねえな!」
よくしなる竹の笞を沢田は取り出す。哀れな母娘は、ひぃーっ、と泣いてすがりつく。
「ど、どうか、お、お××こ打ちだけは、か、かんにんっ・・・・お、おねがい・・・」
「千絵!嫌だ嫌だと騒いでるとそれだけで、仕置きの理由になるぜ。素直にお××こ打ちを受け
れば20回で許してやる。これ以上、騒いだら倍の四〇打ちになるぜ。」
母娘は、ひぃぃっー、と泣いた。
「どうする?え、千絵、素直に受けるか。それともあくまで逆らって四0打浴びるか?おめえが決
めな」
「や、やさしく打って、おねがい・・・・」
沢田の笞は巧みだった。牝を打ち据えるとき決して乱打はしない。一打一打、笞の効果を愉しみ、
牝の悲鳴と哀願をじっくり愉しみながら打つのだ。乱打して途中で牝は失神してしまったら楽しみ
が半減するというものだ。一打一打間隔をおいて、ゆっくり牝の怯えも愉しめるというものだ。母娘
は、沢田に白い尻を向けて四つん這いになる。尻を高く屹立させ、左右にひらいて、アナルから陰
門まで丸見えにする。
「ど、どうぞ、ご、ご存分に・・・」
すすり泣きながら、指で内壁をくつろげ、笞を乞う牝の姿は哀れだった。
「ようし、行くぜ」
沢田は笞の柄で、二人の陰門からアナルにかけて執拗になぞり、つと柄の先を沈ませたりしてか
らかいながら、牝の怯えを愉しみ、それからおもむろに、ビシーッ、と空気を裂く音とともに、めぐみ
の陰門に笞を炸裂させた。
「ひぃぃぃーっ、・・・・」
めぐみは絶叫する。返す手で、沢田は美しい母奴隷の陰門にも笞を打ち込んだ。
「ひぃぃっ、ひっ、ひぃっ・・・・千絵は、二度と、二度と、お××こ隠し、失くしませんっ・・・」
千絵も哀れな絶叫を奏でる。笞の効果に満足して、しばらく牝のすすり上げる声を愉しみ、おもむろ
に第二打を放つ。
「ひぃぃっ・・・・ご、ごめんなさいっ、めぐみは、二度と、お××こ隠しを、失くしませんっ・・・」
「ひぃぃっ・・・・お、お許しを・・・」
沢田は焦らない。たっぷり笞打ちに時間をかける。牝が失神してしまっては面白くない。一打一打、
牝の悲鳴と悶えと哀願を愉しみたいからだ。母娘にとっては、永遠とも思えるほどいつまでも続く、
長く辛い仕置きであった。沢田が去った後に、めぐみが失したはずのバタフライが廊下の隅に投げ
捨てられていた。美しい母娘を仕置きにかけたいがために、沢田が盗んだのであった。失神から醒
めた母娘はそのことをまもなく思い知らされることになるだろう。
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