第一三章 生理の日(前編)
信代たちの手でラビアとクリトリスに穿孔されて、リングを取り付けられた日、千絵
は牢に戻らなかった。
牝の刻印を肌に施したうえ、半日、庭先で晒しものになるのが、牝のさだめである。
千絵に穿たれた二本のリングには大きな鈴が取り付けられた。鈴の音が鳴る度に、
千絵は牝の悲哀を応えるほど味合わねばならなかった。そればかりではない。今
後、千絵が行くところどこでも、チリン、チリン、と鈴の音が鳴って牝の居場所を知
らせることになる。
「あぁっ・・・・め、牝だわ・・・千絵、も、もう、完全に牝なのね・・・・」
どんなに泣いても、許しを乞うても、牝のつとめはむろんのこと、仕置きと調教を許
してもらえるはずがない。甘い色香を振りまき主人のお気に入りの牝になりきるこ
と、そして弄ばれ、苛められる肉の喜びに没入して我を忘れることしか、救われる
術がないことを思い知らされたのであった。
ラビアにふたつ、クリトリスにひとつ、冷たい針を穿孔された痛みは疼いた。肉が引
きつれるような激痛と疼きを覚えるたびに、千絵は牝の悲哀に咽び泣いた。予定日
よりも早く生理日が来たのも、そうした衝撃のためかもしれない。
そのことに千絵は慄然とした。密かに怖れていた事態がやって来たのだ。生理を知
られたなら、女であることの悲哀をさらに嘗めなければならないだろう。残忍な主人
や信代たちが、生理の間だけ、肉のつとめを許してくれるはずもない。それどころか、
生理そのものを恥辱の材料にされて泣かねばならぬことは目に見えていた。せめて、
年端のゆかないめぐみだけでも、生理の期間中、肉のつとめだけは堪忍してほしい。
千絵は祈るような気持ちであった。
「おや、千絵、おまえ、そろそろ月経だね?」
いつもの朝の検査の時、ピアスされたラビアのリングを周りの鞭痕をなぞりながら、信
代は言った。千絵は一瞬、まっさおになって全身がわなわな瘧のようにふるえだした。
血がスーッと引いていくのが分かった。信代が女の生理を、どんな淫らな責めの材料
にするのか、想像するだにおそろしい。
「フン、隠そうたって、お前の乳のしこりぐあいで分かるんだよ。めぐみの月経も近いこと
だって、あたしが気づかないとでも思ってるのかい。おホホホ・・・月経中は、どんな嗜好
で旦那さまに愉しんでもらおうかねぇ。」
わっ、と千絵は泣きだした。無駄と知りながらも千絵は、身も世もなく泣きながら、信代の
足元に身を投げ、足に縋っておろおろと哀願をはじめた。
「信代さまッ・・・ど、どうか、お願いです・・・げ、月経のときだけは、か、からだのおつとめ
は、お許しを、どうか・・・おねがい・・・」
信代はぎらりと千絵を見据えた。その形相にたちまち、千絵は竦みあがる。
「そんなわがままが通るとでも思ってるのかい?え、千絵」
信代は邪険にリングを引っ張る。ラビアが裂けるような激痛が走り、千絵はひぃっ、と悲鳴
をあげた。
「ひッ、ひぃぃっー、ち、ちがいます・・あ、あたくしのことではあ、ありませんの・・・ち、千絵
なら、げ、月経でも、よ、よろこんで、は、励みますッ・・・・で、でも、め、めぐみは、めぐみは
まだ女になったばかりですっ・・・せ、生理のときだけは、め、牝のお稽古は、ご、ご勘弁を
・・ご、後生ですッ・・」
信代が両頬を締めあげてくるため、口が開く。性器の痛みに堪えながら、千絵は必死です
がった。
「お、おかあさまっ・・・め、めぐみは、か、構わないのっ・・・うぅっ、げ、月経だからといって、
牝のおつとめを免れるなんて、も、毛頭考えてないの・・・ほ、本当です・・・の、信代さま・・・」
めぐみは泣きじゃくりながら、必死で言い繕った。信代の怒りが怖ろしかったのだ。信代はジ
ロリ、とめぐみに目をやった。
「本当かい?」
「は、はい・・・・め、めぐみは、さ、さかりのついたど、どスケベなお××こ牝ですもの・・・・げ、
月経だからといって、お××このおつとめ、できないなんて、めぐみ、嫌なの・・・・で、でも事
情を知らない旦那様のチンポを血で、よ、汚してしまったら、ば、罰があたるわ・・・」
泣き声で娘が応える。信代はにんまり笑うと、娘の肩に手を置いて猫撫で声で諭すのであっ
た。
「そうかい。メンス中の牝を血塗れにして遊んでみたい、というのが旦那様の御趣向なんだけ
どねぇ、お前たちの心がけ次第では、タンポンを許してやってもいいんだよ・・・牢内を経血で
汚されたくないしねえ・・・」
むろん、信代の言葉がお為めごかしのその場限りのものであることは明らかである。しかし、
形だけでもいつにない優しい言葉をかけられた二人は、それに縋ろうとするのであった。信代
の足下にひざまずいて不安げな表情でおどおどと見上げる。
「え、どうなんだい?お前たち、タンポンが欲しいんだろ?え、めぐみ。タンポンなしで、血塗れ
でお××このご奉仕をしたいかい?それとも、生理用品を付けたいのかい?返事をおし!」
「は、はい・・・お、おねがいいたします・・・信代さま・・・」
蚊の鳴くような声で二人が言うと、信代は薄く笑った。次にどんな怖ろしい言葉が信代の口か
ら出るのか、怯えて黙って相手の口許を見つめる。
「オホホホ・・・ただね、生理用品はあたしの管轄じゃないんだよ。良治が管理してるのさ。一
度牝の月経の世話をしてみたいなんて、言ってたからね。良治の機嫌を取ってみたらどうか
い?」
二人は真っ青になった。あの野卑なチンピラに色香を振りまいて生理の手当をさせようという
信代の悪魔的な考えに今更ながら慄然とするのであった。母娘は同時にひいぃーッ、と泣い
た。信代は男への生理用品のねだり方を耳元で小声で教示する。二人は激しく首を振り、哀
訴したが、けっきょくは泣く泣く承諾せざるをえないことは明らかであった。
世話係の良治が楊枝で黄色い歯をせせりながら地下に下りてきた。美しい元クラスメートとそ
の美貌の母が全裸で檻の中にひれ伏しているのを見おろした。
「へへへ・・・奥さん、相変わらずきれいだね。昨夜は何発やったんかい?」
檻の閂を開けながら良治は下卑た口調で訊ねる。二人はからだを硬くした。
身を屈めて檻から出ると、二人はいつものように、絶対服従のちんちんの姿勢をとる。おっ、と
良治は目を瞠った。千絵の股間からリングがぶら下がっているのが目に入ったのだ。先日信
代たちの手で、ラビアとクリトリスに穿孔されたうえ、リングを取り付けられたばかりであった。
千絵は意を決して、甘い声で良治に声をかけた。
「ねぇっ・・・良治さまぁ・・・お××こ牝の千絵、お願いがあるの・・・」
むっとする甘い香水と若い女の体臭が入り交じって、狭い牢内にたちこめて、チンピラの鼻孔
を刺激する。
「うん?」
良治が千絵の白い肩に手を置くと、豊満な乳房を手に取った。いつもと違うしこりがある。千絵
は恥ずかしそうににっこりと笑いかけると、うっん、と声をあげ、後ろに上体を倒しながら、みず
から両足首をつかんでいっぱいに股をひらいていった。両陰毛をハート形に剃り落とされた年
増の牝奴隷の太腿の奥の肉の合わせ目が拡がる。無惨にも先日信代たちによって取り付け
られたリングが光っている。千絵は首筋までまっかに上気させて、あえぎながら、言った。
「千絵の、千絵の、お××こ、きょ、今日、へ、変でしょ?・・・・・・」
千絵はそう言いつつ、白魚のようなほっそりした指でラビアをおずおずと左右にくつろげて見せ
る。千絵の陰唇は、妖しく濡れそぼってぬめり輝いている内部のサーモンピンクのきれいな肉
襞をのぞかせている。千絵はいっぱいに女陰を拡げきると、腰を浮かせて、良治の目の前に突
き出す。
「へへへ・・・これのことかい?」
良治はピアスのリングを弄りながら訊ねる。
「うっん、ち、ちがうわ・・・そ、それじゃないわ・・・」
千絵はきゃしゃな指先で陰核を愛撫しつつ、ニッコリ笑いかけて言った。
「うっん、良治さまぁッ・・・千絵、千絵ねぇっ・・・げ、月経になっちゃったの・・・」
そう云いながら、切なげに反対の手でメロンのような乳ぶさを切なげにみずから揉みしだき、片
手でクリトリスをくじってみせる。良治はすぐに千絵の髪の毛をひっつかむと、ラビアに穿たれた
リングをもてあそびながら、訊ねる。
「ヘヘヘヘ・・いつからだい?奥さん!」
千絵はみずから慰める手を休めなかった。牝はそんな時でも発情して見せて、相手の望むよう
な恥知らずの淫売になったことを示さなければならないからだ。千絵は、固く勃起したクリトリス
をくじりながら、かぼそい声で告白を続ける。
「き、昨日の晩からなの・・・い、いつものように、信代様に、めぐみとふたりで、千絵、生卵での
お××こ芸のおけいこをつけていただいた後、牢に戻ったら、千絵、千絵、・・・出血が始まった
の・・・」
目を閉じあわせ、かぼそい声でそう告白する千絵の膣は淫液と経血でグジュグジュに濡れそぼ
っていた。おずおずと男の方へと視線を向けた黒目がちの美しい瞳は潤み、乳ぶさがかたく張
っている。切ないまでに千絵のからだは火照り、淡く広がった乳輪は、濃さを増し、乳首は尖り
を帯びて、飛び出していた。
「ヘヘヘ・・・月経か、千絵。だがよ、牝は月経だからといって、牝のつとめは免れねぇんだろ?」
良治は千絵の肩を抱いて、メロンのような乳房を弄び、飛び出した乳首をシコシコ揉みしだき
ながら、決めつける。
「そ、そうですわ・・・・・・月経だからといって、千絵、お××このお務めを許していただけるなん
て思ってないわ・・・た、ただ、千絵が月経になったことを、このまま旦那さまにお知らせしなかっ
たら、躰のおつとめのときに、ご迷惑をかけてしまうかもしれませんもの、・・・千絵、千絵、それ
だけが心配だったの・・・」
乳首の苦痛に眉を寄せて堪えながら、必死で抗弁する。娘と同年代の少年に甘く媚びて縋って
機嫌を取らなければならない恥辱と辛さに、全身がカァッ、と火照っている。
千絵は、乳房をフルフル振って見せながら、哀訴した。
「ねぇっ・・・良治さまぁっ・・・お願い、・・・タンポンを下さいまし・・・タンポンがないと、床も汚し
てしまいますもの・・・」
「へへへ・・・タンポンと何だっけ?」
信代仕込みで良治もすっかり牝の責め方を心得てきていた。
「い、いじわるね・・・げ、月経のとき、め、・・・牝が・・・牝が・・・お××こに・・・は、はめて・・・
血、血を吸い取るものよ・・・良治さまがお持ちだって聞いたんですの・・・」
「へへへ・・・それじゃ、奥さんはこいつをお××こにはめてぇ、というわけだな?」
良治はポケットから生理用品のパックを取りだして、千絵の鼻先に突きつける。
「そ、そうよ・・・千絵、そ、それを、お、お××こにはめたいの・・・」
「めぐみも、こんなやつを、使ってるのかよ?」
「は、はい・・・め、めぐみも、・・・げ、月経のときは、タ、タンポンをは、・・・はめてます・・・」
半泣きで娘も応えた。
「お、お母さまに、タンポンを付けさせて上げて・・・パンティーを穿かせていただけるなんて思っ
てないわ、お××こ奴隷の身ですもの・・・でも、タンポンだけならば、おかあさまのお××こ、
まるみえですわ・・・決して男の方の視線の妨げにはならないわ・・・・ そ、それに、良治さんが
お命じになれば、お母さまには、いつでもタンポンを抜いて、奥までひろげてご覧にいれさせま
すから・・・ねえ、良治さまぁッ、・・・・お母さまのお××こへのタンポンの交換は、かならず、良
治さんの前でさせます。決してお母さま自身で、こっそり取り替えさせたりはしませんから・・・
ち、誓います・・・」
「千絵、本当だな!」
「は、はい・・・う、嘘じゃないわ・・・い、いいえ・・・娘のめぐみが、月経になったときも、良治さま
のお手で、めぐみの、お、お××こにタンポンをはめていただくわ・・・め、めぐみ、良治様にここ
で、誓ってね」
「は、はい、おかあさま・・・良治様、めぐみ、月経のときは、・・・月経のときは、タンポンを、めぐ
みのお××こには、はめてね・・・」
「いいだろう、そのことばを忘れるんじゃねーぜ!」
「はい・・・・」
「へへへへ・・・・千絵、拡げな!」
千絵は諦めきった顔で膝を崩し、扇形に下肢を拡げた。
「良治さまが、直接はめてくださるの?・・・う、うれしいわ・・・」
「へへへ・・・何だって?」
「良治さまに、タンポンをはめていただけるなんて、うれしいわっ・・・・」
泣き声で千絵は声を高めた。
「へへへへ・・・お安いご用だぜ、・・・へへへ・・ここかい。奥さん?」
「うっん、い、いじわる・・・ち、違うわ・・・・そ、そこは、千絵のけ、けつの穴よ・・・」
ゆさゆさと豊かな黒髪を震わせかぼそい声で抗議する年増の美女は完全に屈服して、かわいい
牝になりきろうと懸命であった。
第一三章 生理の日(後編)
剛蔵はデスクの上で分厚い書類に目を通していた。来月行われる牝奴隷の競売に出品
するリストである。机の下には、若妻風の全裸の美女が、這いつくばって、剛蔵の下半身
を一心不乱にしゃぶり立てている。
「この牝もだいぶ使い回したからな。そろそろ牝市場で処分する頃だな。」
口唇奉仕を堪能しながら、酷薄な笑みを片頬に浮かべて、ちらりと向かい側にある大型の
鏡に目をやった。デスクの下で白いむっちりした尻を左右にもじもじと振り立てながら、懸命
に奉仕している姿が映っている。白い臀丘の上には奴隷の徴としてハートの焼き印が押さ
れていた。信代が入ってきた。
「社長、よろしいでしょうか。」
「あ、うむ・・・・・・今度のオークションに出す牝どもを選定しておったんだがな。」
「あら、そうでしたわね。この亜希子もそろそろ、競売に出す頃ですわね。」
牝は信代の声にビクッ、と全身をふるわせたが、奉仕を休むことはなかった。うんっ、うぅっん、
うんっ・・・・・・・・うんっ、と甘ったるい声をたてて、懸命に黒光りする剛蔵の肉塊をしゃぶりた
てている。
「うむ、この間の夜会で白黒ショウに出したんだが、なかなか好評でな。便器として飼いたい
という申し出がだいぶあってな、ワハハハ・・・・・・」
「そりゃ、よござんしたね。でも、先日のショウで孕んだようですから、売却は出産ショウの後
になりますかしらねぇ。おホホホ・・・・・・・・ところで、千絵のピアスはお気に召しまして?」
「おう、なかなか良かったぞ。鈴をぶらさげるのもなかなか乙な趣向じゃないか。ハハハ・・・・・・」
「ええ、これからは千絵の居場所は鈴の音で分かりますわ。ホホホホ・・・・・・、千絵にはこれか
ら、鈴以外にもいろいろなものをぶら下げさせようと思ってるんですよ。」
「ほう、どんなものかな?」
「いえね、最初は鈴をつけましたけどね。次から少しづつ重いものを吊してぶらさげさせたいん
ですよ。ビール瓶や一升瓶をぶらさげさせて、給仕させるのも一興ですわよ。」
千絵には乳首にもピアスを施すことを信代は考えている。そうしておいて、一晩中乳首とラビア
に錘りをぶらさげて、庭先にさらしものにするのだ。
(見ておいで、千絵、お前はクリトリスだけじゃなく、おっぱいもラビアも、思いっきり引き伸ばし
てやるからね。みっともない身体にした後で実演ショウで、お前は孕むことになるんだよ)
信代はほくそ笑んだ。
「うぅむ!」
その時の千絵の悶え、泣き叫んで許しを乞う姿を想像するだけで、股間が熱くなってくる。
「一段落したら、めぐみにも、ピアスを施したらいかがでしょうか?母娘でビール瓶や果物かご
をぶら下げさせて、競わせるのも面白いですわよ。」
「うむ、」
信代の残忍さにはさすがの剛蔵も辟易気味である。
「それで、千絵は今どうしておる?」
「はい。千絵は今朝方から月経になりましてね。たったいま、良治の世話でタンポンを装着させ
たところですのよ。」
「おいおい、メンスだからといって、牝のつとめを休ませるんじゃないぞ。かえってその時のほう
が、牝は感度がいいというからな。」
「アラアラ、社長。そんなことは分かっておりますわ。血塗れで肉交の勤めや花電修行をさせて
もいいんですが、あたくし、ちょっとした趣向を思いついたんですのよ。」
「うむ・・・・・・」
「いかがでしょう?千絵はいずれ、お座敷ショウで若い連中たちと絡ませて、孕ませるつもりな
んですが、そのときの下稽古を兼ねて、ちんぴら部屋に漬けようと思うんですが。あ、いえ、社
長ご自身で、千絵を血塗れになさりたいなら別ですが・・・・・・・・」
「ふうむ、実演ショウの予行演習というわけだな。」
「ええ、そういうことですわね。おホホホ・・・・・・あたくしとしては、千絵も誰の種か分からない状
態で孕んだあげく、腹が膨らんでいくところを、見てみたいんですよ・・・・・・・・」
「あ、うむ・・・・・・だがな、信代。以前、みゆきを満座の中で孕ませたときのこと、覚えておるだろ
う?あの時は、種付けショウと聞いたとたん、死にものぐるいで暴れおって、ずいぶんとてこずら
せたぞ。千絵のほうは大丈夫かね?」
「さ、それは抜かりはありませんわ。あたくしに考えがありますの。ホホホホ・・・・・・」
「うむ、それじゃ、信代。お前にまかせよう。」
「ありがとうございます。それじゃさっそく、手配をいたしますわ。」
千絵の世話を終えて、部屋に戻ろうとした良治は廊下で信代に呼び止められた。
「良治、ちょっといいかい?」
「あ、これは姐さん、お早うございます。」
慌てて、ぺこぺこ頭を下げるチンピラを見下ろすと、信代は薄く笑って言った。
「ところで、良治、お前、千絵を抱いてみたくないかえ?」
意外な信代の言に良治は愕き、全身を硬くして思わずどもった。
「あ、姐さん、ほ、本当ですかい?」
「あたしは冗談なんか言わないよ。事と次第では千絵と遊んでもいいんだよ。実は、次の夜会
でのショウで千絵を孕ませたいんだよ。それでお前たちと絡ませたらどうかと思ったんだがね。
どうかね?」
「あ、姐さん・・・・・・あ、ありがとうございます・・・・・・」
突然の幸運に良治の目は輝いた。千絵たち母娘の毎日の排便の世話やら、花電調教の手伝
いをさせられていたが、まだ新入りの良治は一度として性交の許可をもらえなかった。二人に
真っ白い肌がいつもチラチラ目の前を離れず、気が狂いそうだったのだ。これじゃ蛇の生殺しだ
ぜ、と不満が胸の裡をくすぶっていた良治であったが、信代や剛蔵の前に出ると、蛇に射竦め
られた蛙のように、何にも言えなかった。期待と不安で良治の胸は高鳴り、足がブルブルふる
えた。信代はそんな良治の様子を心地よげに眺めた。
「千絵は月経中だけど構わないね?」
「え、ええ・・・・・・オレとしては全然平気ですぜ。へへへへ・・・・・・い、一度、メンス中の牝と姦り
まくって血塗れにしてみてぇと思ってたとこでさぁ・・・・・・・・」
「ホホホホ・・・・・・まぁ、激しい年頃だからね。がっつくなというのは無理かもしれないねぇ。ただ
しね。良治!」
「へ、へい・・・・・・・・・・」
ギロリと細い眼を蛇のように光らせて良治を見据える信代の凄みに、良治はぞっと鳥肌が立つ
のを覚えた。
「あくまでも、これはショウの予行演習なんだからね。どうあっても千絵を妊娠させたいんだから
ね。お前たちでしっかり因果を含ませるんだよ。あたしの前で、千絵がはっきりと孕みたいと大
きな声で誓えるよう、厳しくしつけるんだ。どうだい、良治、できるかい?間違っても千絵の色香
に負けて甘やかしたら駄目だよ。」
「わ、分かりやした、姐さん。ま、まかせてください。かならず、姐さんのご期待に添えるよう、頑
張りますぜ。」
良治は、これまでも何度か裏ビデオにも出ている。人前であろうが、女を抱けるのは願ってもな
いことなのだ。それにもしもショウで千絵を首尾良く妊娠させることができれば、組での昇格も期
待できるのだ。
(ようやく、俺もツキが回ってきたじゃねーか)
良治は有頂天であった。
牢内で母娘は良治を待っていた。全裸の千絵の股間にはタンポンが差し込まれており、糸の先
には白い布片が結びつけられている。布片には毒々しく「月経中」という文字がしたためられてい
る。
「へへへへ・・・・・・お母さまようっ、支度はできたかよぅ?」
のっそりと、ちんぴらの良治が降りてきた。いつもと違う余裕と落ち着きを見せ、爪楊枝の先で黄
色い乱杭歯をせせっている。二人は弾かれたように、ちんちんの姿勢をとった。もはや屈辱感は
なくなっている。
「ねぇ、良治さまぁっ・・・・・・こ、これから、お母様を、み、みな様で可愛がって下さるって本当です
の?」
泣き腫らした目で娘はおずおずと良治に訊ねる。
「へへへ・・・・・・仲間と時間をかけて、こってりとお袋を玩具にしようってわけよ。めぐみ、え、嬉し
いだろうが、」
「は、はい・・・・・・・・め、めぐみ、う、うらやましいわっ・・・・・・う、うっんん、や、妬けちゃうわ・・・・・
・・・」
めぐみは、そう言いながら乳房を両手で揉みしだいて見せる。
「へへへへ・・・・・・千絵は何回ぐれー気をやるかなー、へっへっへ・・・・何回ぐれー、失神するか、
勘定しておかなきゃな。え、お母さまようっ・・・・・・しっかり牝のつとめに励むんだぜ、へへへ・・・
・・・」
「は、はい・・・・・・良治さま、よ、よろしく、お、お願いします・・・・・・」
血を吐くような思いで千絵は応え、はあきらめきった風情で両手を後ろに重ね合わせ、縄を打た
れるのを待った。いつものように後ろ手に厳しく縄掛けされ、ピアスにも紐を繋がれると、千絵は
良治に促されるままに、地下室の階段を登り始めた。むちむちした白い双丘を左右にもじつかせ
ながら、千絵は階段を登っていく。股間からぶら下がった鈴がチリン、チリンと鳴るのが、死ぬほ
ど恥ずかしい。千絵は唇をきつく噛みしめ、嗚咽を堪えた。
冷え切ってざらざらとしたコンクリの床の感触が、冷気とともに素足の千絵の踝から膝にかけて
上ってくる。良治は縄尻を引いて、地下の階段を上がると、外部への出入り口であるシャッター
を開けた。眩い日の光が暗い内部に射し込んできて、牢内に長時間繋がれていた千絵は、なか
なか目を開けられない。
「さ、こっちから出るんだ。近道だぜ。」
ちんぴら部屋はどうやら広壮な屋敷の反対側にあるらしい。縄じりを捕まれてよろよろと出た千
絵の柔らかい足の裏に細かい砂が食い込んでくる。生理になって、千絵は乳房が張り、乳首
が痛いほど硬くなって飛び出してきている。子宮の奥から疼痛がときおり走り抜け、全身がけ
だるかった。しかし牝である以上、肉のつとめを免れることはできないのだ。生理日の肉交の
つとめは、千絵にとって始めての経験である。怖ろしさの余り、膝はガクガク鳴り、全身はわな
わなとふるえて止まらない。
「へへへ・・・・・・・・おかあさまようっ、・・・・・・何ふるえてやがる。月経中でも、こってり可愛がって
もらえるなんて、しあわせじゃねーかよ、へへへ・・・・・・・・」
下卑た声で笑うと、むっちり張った白い尻を背後から良治は撫であげた。
堪えきれず、千絵はわっ、と泣き出した。涙で頬を濡らしながら、年下のチンピラの胸に縋って
哀訴した。
「こ、こわいっ・・・・・・・・こわいの・・・・・・・・良治さまっ、千絵、とっても、怖いのよぅっ・・・・・・」
甘い香水と女の薫りが入り混じって、良治の鼻孔をせつなげに刺激する。高嶺の花であったクラ
スメートの美しい母親が、身も世もなく泣きじゃくって、哀願しているのだ。良治もその色香と哀れ
さに自分も泣きたくなるほど昂ぶってしまう。
「ヘヘヘ・・・・・・辛いか?え、奥さん」
「だ、だって、・・・・・・だって・・・・・・千絵、千絵、メンスの日にか、からだのおつとめをしたこと、な、
ないの・・・・・・こ、今度がは、初めてなのよ・・・・・・」
年下のチンピラを良治様と呼んであがめ、甘えなければならない屈辱感はとうの昔になくしていた。
「へへへ・・・・・・おめえにとっちゃ、辛いかもしんねーけどよ、それがこちとらの目的なんだからな。」
「そ、そんな・・・・・・ひどいわ、ひどいわ・・・・・・め、牝に赤恥かかせるおつもりなのね・・・・・・」
「へへへへ・・・・・・やなら、めぐみと交代してもいいんだぜ。奥さん。」
そう言われると、一言もない千絵であった。
「りょ、良治さま・・・・・・お、おっぱい、揉んで、う、うんとやさしく・・・・・・・・・・」
千絵は未練を断ち切るかのように、さっ、と髪の毛を振り仰いで良治にねだった。良治は年上の美
女の乳房を鷲掴みにして揉みしだきながら、唇を奪った。
「うん、うぅっん・・・・・・・・・・良治さまぁっ・・・・・・・・す、好きよ・・・・・・・・・・・」
千絵はキッスに応じて舌先を絡めて吸い上げる。
「お、お部屋で、や、やさしくしてね」
しゃくりあげながら、千絵は甘えた。
「へへへ・・・・・・さっさと歩かねーかよぅっ、・・・・・・」
ときおり、良治はわざと紐を乱暴に引っ張る。ピアスされたラビアが引きちぎられそうな恐怖と苦
痛に、千絵は泣いた。
「そ、そんな・・・・・・ひ、紐を引っ張っちゃいや、嫌ようっ・・・・・・ち、千絵のお、お××こ、き、切れ
ちゃいますぅっ・・・・・・」
「へへへ・・・・・・おかあさまよう、そろそろタンポンの交換をしなきゃなんねーな?だろ?」
「は、はい・・・・・・良治様、お願いします・・・・・・」
建物の裏手に来ると、千絵はすすんで、仰向けになり、両膝を抱えていっぱいに股をひらいた。
「へへへ・・・・・・牝らしくおねだりしな」
「は、はい・・・・・・良治さまぁっ・・・・・・お、お××こ奴隷の千絵のタンポンを取り替えてください
ませ・・・・・・」
タンポンを抜き取られ、新しく挿しこまれるとき、千絵は、教えられた通り、大きな声で叫ばな
ければならない。
「あぅぅっ・・・・・・お××こ奴隷の千絵は、りょ、良治さまのお手で、お××こにタンポンをはめ
られてます・・・・良治さまのお手で、お××こにタンポンをはめられてますっ・・・・・・う、うれしい
ですっ・・・・・・うれしいですっ・・・・・・」
「もっとでかい声を出さねーか!」
「は、はい・・・・・・げ、月経中の千絵は、良治さまに、タンポンをお××こにはめられて、し、し
あわせですっ・・・・・・」
澄み切った青空の下、美しい牝は、白い喉をふるわせて泣きじゃくりながら、幾度となく、隷従
のことばをくりかえすのであった。
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