第一二章 牝の刻印 






 めぐみが信代に縄尻を取られて連れて行かれてから、どのぐらい時間が経った
のだろうか。娘を気づかって、気が気でない千絵のもとに、三人のヤクザたちが、
地下牢への階段を下りてきた。男たちの姿を見かけたときは、いつでも、どこでも、
牝は四つん這いになって、土下座でご挨拶をしなければならない。しかし、ひれ伏
す直前に千絵の眼に映ったのは、洗面器と剃刀であった。
 
あぁ、今日は、剃毛の日なんだわ・・・・
 
牝は陰毛を定期的に剃り落とされる。女の貝の割れ目をつねに剥き出しにして、男
達の目につきやすいよう、男たちが玩弄しやすいようにしておかなければならないの
だ。
 
「銀次さま・・・政夫さま・・・竜也さま・・・、い、いらっしゃいまし・・・」
 
早くも千絵の胸は波だっている。剃毛の辛さ、恥ずかしさは、幾度経験しても慣れ
るものではなかった。ガチャリ、と音を立てて牢の錠前が外されると、男の一人が命
じた。
 
「さ、奥さん、出てきな!」
 
「は、はい・・・・」
 
千絵は乳房をかばいながら、輝くばかりの白い裸身を男たちに晒しつつ、腰を屈めて、
檻の外に出た。足下まで這っていく。立つことは許されていない。ようやく、足下まで
きて、そっと男たちの汚れた足甲に唇をおしあて、心をこめて吸った。真っ白い尻は高
く屹立させている。深い千絵の臀丘の割れ目がひろがり、菊花のような肛門がまるみ
えだ。髪の毛をつかまれて、千絵は強引に起きあがらせられた。痛みを堪えつつ、千
絵は必死に微笑み、甘い媚びを見せて乳房を振って見せる。
 
「うぅっん・・・・今日は、今日は、皆さまで、千絵のお××この毛を剃って下さる日だっ
たのね・・・う、うれしいわ・・・・」
 
「パイパンになりってえってか?千絵?」
 
「はい・・・・だって、陰毛が伸びちゃったら、千絵、お××こ、まるみえにならないんで
すもの・・・千絵の一番、大事なところが、だんな様の視線に見られないなんて、とって
もいけないことだと、千絵、思うの・・・」
 
真っ赤な顔で、千絵は心にもない媚びのセリフを口にする。
 
「そ、それに、千絵が、お××こで卵を割ったり、バナナを切ったりして、だんな様のご
機嫌をうかがうときも、・・・千絵のお××この具合を、お確かめになれないわ・・・・千
絵も、お××この毛を剃っていただきたくって、ウズウズしてたの・・・」
 
妖しいまでに悩ましい千絵の哀訴に,男たちも凝然となったようだった。
 
「ようし、それじゃ、始めるぜ。」
牢の檻は開け放たれて、その前で三人のヤクザたちに手取り足取りされて、千絵は
仰向けに押し倒された。両腕を頭の上にまっすぐに伸ばすように命じられ、万歳の姿
勢をとらされると、政夫が千絵の両手首をつかんで、いっぱいに引っ張る。牝の抵抗
を封じるためである。両脚を一八〇度近くまで割り裂かれる。両膝は胸につくくらいま
で折り曲げられ、肉唇から肛門まで剥き出しにされているのだ。女にとって、これ以
上辛く、恥ずかしいポオズはないだろう。
 
「あぁっ、・・・あ、あっ・・・い、いや、嫌ぁんッ・・・」
 
甘ったるい声を放って、千絵は輝くばかりに白い裸身をなよやかにくねらせ、欷き媚
びて見せる。剃刀を手にした角刈りのヤクザが、千絵の剥き出しになった秘唇を指で
いじっている。千絵のクリトリスを弄り、肉襞を抉ってもてあそぶ。 
 
「あっ、あぁっ・・・ね、ねぇっ、ねぇっ・・・・」
 
長い髪の毛をおどろに乱れさせて、美しい母はなよなよと身悶えた。石鹸は使わない
のだ。牝が陰毛を剥ぎ取られるときは、自らの愛液で濡れさせるしかなかった。残忍
な男たちは、時間をかけてたっぷり千絵をはずかしめ、悶え欷く姿を愉しむ。千絵は
そうしたいたぶりに応えるかのように、甘い喜悦の声を惜しみなく放った。
 
「あんっ、あふっん・・・・・あっふーぅっん、あんっ・・・あっ、あっ・・・・あっふぅっーん、あ
んっ・・・あっふーぅっん、あんっ・・・あふっん・・・・・あっふーぅっん、あんん・・・」
 
「へへへ・・・千絵、そろそろ剃るぜ。動くんじゃねぇぞ、動くと、大事なところにキズが
つくぜ!」
 
しかし、銀次はすぐには剃刀を使わない。わざと、一本、一本毛抜きで引き抜いていく。
それも焦らすように、皮膚が引っ張られ、抜ける痛みに千絵が眉を寄せあえぐさまを鑑
賞するのだ。
 
「あッ・・い、いやッ・・いやぁっ・・・じ、じらしちゃ、いや・・・ひ、一思いに剃ってください
まし・・・お、おねがい・・・」
 
千絵の哀願も虚しかった。男たちは陰毛を剥ぎ取られる牝の身悶えと啼泣を愉しむの
が目的だからだ。
 
「お、おねがい・・・千絵の、千絵の・・・お、お××この毛を、は、早く、そ、剃って下さ
いまし・・・い、苛めちゃ嫌っ、嫌ぁっ・・・」
 
ゾリッ、ゾリッ、と音をたてて、千絵の恥毛が剃り落とされていく。千絵は上体を弓なり
にのけぞらせて喘いだ。
 
「ああっ・・・あっ・・・ああっ・・・むむむっ・・・」
 
男たちは千絵の悩ましいすすり泣きを十二分に愉しみながら剃っていく。ようやく剃毛
が終わると、男たちは千絵のツルツルに剃りあげられた恥丘に、たっぷりとローション
をすりこんだ。
 
「さ、股をおっぴろげるんだ。千絵!」
 
やくざが口紅を手に、千絵の白い太腿をバシッ、と叩く。
 
「ハ、ハイッ・・・・」
 
おずおずとひらいたところを、ラビアの合わせ目がつまみあげられ、ルージュが引かれた。
唇と同じ燃えるような真っ赤に仕上げられた。
 
「い、いやぁっ・・・うぅっ、は、はずかしいっ・・・はずかしいわっ・・・・」
 
「へへへ・・・ここをきれいに化粧するのは、メスの身だしなみてもんだぜ。そうだな、千絵!」
 
「は、はいっ、・・・お、おっしゃる通りですぅっ・・・あうぅっ・・・・・・」
 
美しい母は弱々しくかぶりを振った。さらに肛門にまでルージュが塗られた。女の下の唇
と肛門は、真っ赤に彩られ、毒々しいまでの様相を見せている。それがヒクッ、ヒクッ、と
蠢くさまは、生唾を呑む生々しさであった。
 
「もう感じてるのか、千絵!」
 
「あぁ、そ、そんな、苛めちゃいや・・・」
 
「さ、どうだ!ここが、無毛ってぇのも、随分、妖しいもんだな。」
 
「いや・・・いやぁん・・・そ、そんなこと、おっしゃららないで・・・・は、はずかしいっ・・・恥ず
かしいわ・・・・千絵、し、死ぬほどは、恥ずかしいのよぅっ・・・」
 
「へへへ・・・今さら何いってやがる。」
 
哀しい剃毛が終わっても、男達はなかなか立ち去らなかった。
 
「い、いつもと違うわ・・・・」
 
不安な思いが千絵の胸をよぎった。
 
信代が入ってきた。信代は男たちの前でいっぱいに股を拡げて、剃毛の検分を受けてい
る千絵を小気味よげに見下ろした。
 
「銀次、千絵の陰毛を、きちんと剥ぎ取ったかい?」
 
「へい、姐さん、たった今終わったばかりでさ。この通り、ケツの方まで風通しが良くなっ
て、お××この奥まで丸見えですぜ」
 
スキンヘッズの頭をつるり、と撫でながら、銀次は応える。
 
「そうかい、で、銀次、例のピアスの件は、もう、千絵に話したかい?」
 
「おっと、これは姐さん、申し訳ない。これからです・」
 
銀次は照れ笑いをしながら、千絵に宣告した。
 
「奥さんよう、今日はおめぇの陰毛を剥ぎ取るだけじゃねぇんだ。社長のメスである徴を
つけておくよう、信代姐さんから頼まれてるからな。恨むんじゃねえぜ!」
 
一瞬意味が分からず、ぼんやりと、信代たちの顔を不安げに見上げる千絵に、信代は
おかしそうに宣告した。
 
「何だい、まだ、知らなかったのかい・・・千絵、今日はお前にとっても大変めでたい日な
んだよ。お前が社長の牝である徴として、お××このびらびらにピアスをするための施術
を行うことにしたのさ。」
 
信代の手には半径3センチほどの銀色に輝くリングが三つ、握られていた。
 
「それから、クリトリスにもピアスをするからね。」
 
つと、指を伸ばして、千絵の淫肉をつまむ。千絵の白い喉からけたたましい悲鳴が迸っ
た。
 
「そ、そんな・・・そんな・・・・・あぁっ、い、いやです・・・嫌っ、嫌ぁっ・・・・・」
 
高手小手に括られた不自由な全身を必死で揺すぶらせて、千絵は泣き叫んだ。2人の
ヤクザが千絵のからだを押さえつける。
 
「いや、いやぁ・・・・か、かんにんっ・・・・かんにんっ・・・・」
 
必死で脚をバタバタさせるが男たちの力にはかなわない。
 
にんまり笑いつつ、信代は器具を手に近づいた。
 
「怖いかい?千絵、え?・・・・いくら騒いだって無駄だよ・・・お前の後は、めぐみにもピ
アスするつもりだからね・」
 
繊細な神経の集中する文字通り女の急所である。耳朶のピアスの穴を開ける比では
ない。それを麻酔もなしに施そうというのだ。メスを手に信代は千絵の陰核の皮を剥い
た。

 「い、いやっ・・・いやぁっ・・・・か、かんにんっ・・・・お、おねがいっ・・・おねがいですっ
・・・・の、信代さまっ・・・」
 
千絵は黒髪をおどろに乱して、泣き叫び、必死で暴れた。しかし両腕は男たちにしっか
りと押さえつけられて身動きできない。信代はなぶるように、しばし千絵のサーモンピン
クの花弁をなぞる。
 
「か、かんにんっ・・・の、信代さまっ・・・」

千絵の哀願を愉しみつつ、信代はきれいに切り削いだ。一瞬激痛が千絵の下腹部を
貫いた。
 
「ひっ、ひぃぃっ、・・・・・きぃっ・・・・・・」
 
千絵は絶叫した。目をいっぱいに見開いて、千絵は全身をピーンと仰け反らせ、腰を
浮かせる。
 
「さ、穴が開いたようだね」
 
信代は千絵の陰核にリングを通した。
 
「さ、今度はラビアだよ」
 
「い、いやっ・・・・いやぁっ、・・・・し、しないでっ・・・・しないでっ・・・あむっ・・・・お、お
ねがい・・・の、信代さまっ・・・」
 
ラビアに穿孔されると、丸いリングを通した。
 
「ひいいぃッ・・・」
 
再び、激痛が貫き、千絵は失神した。左右のラビアにもピアスを施されたのだ。信代
はリングをはめ込んだ。
 
「さ、固定したからね。これからは、お××こに一生リングをぶらさげたままさ。オホホ
ホホ・・・・」

千絵へのピアスを配下に命じた剛蔵が和室に戻ったとき、庭先から鈴の音とともに、
哀しい牝の泣き声が聞こえてきた。八畳の和室の猫間障子を開けると、すさまじい光
景が剛蔵の目に飛び込んできた。 庭先の松の木に大の字の形で立ち縛りで晒され
ている全裸の千絵の姿があった。陰毛を剃り落とされて剥き出しになった千絵のラビ
アに直径三センチほどのカネのリングが二本、取り付けられている。そこにぶら下げら
れた鈴が風に吹かれて鳴っていたのだった。千絵はそんな姿勢のまま、泣きながら永
遠の隷従を誓う「牝の誓い」を繰り返していたのだった。







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