第4章 礼拝
朝8時
カテドラルから荘厳な鐘が響き渡る。
女性生徒は、高い尖塔を聳えさせた重厚なゴチック様式のカテドラルに入っていく。パイプオルガンから荘重なパッサカリアが響きわたる。毎朝行われる礼拝の時間である。
壇上に置かれた白亜の巨大な聖母像が、柔和な笑顔で娘たちを見下ろしていた。
全員が、揃ってひざまずき、朝の祈りを捧げる厳粛な時間であった。しかし、十字を切って祈りを終えたその後に、より大切な「牝奴隷心得」を全員が唱和しなければならないことになっていた。牝畜化のプログラムの一環として、娘達が毎朝口にしなければならない大切な日課である。
「それでは、皆さん、始めなさい」
中年のシスターの声に、娘達は胸の上で両手を組み合わせ、かぼそい声で唱和をはじめる。
牝奴隷心得
1、私たち牝は、お兄様がたの持ち物として、今日も、一日、かわいい家畜として心をこめてお仕えすることを誓います。
2、私たち牝は、お兄様がたのお傍(そば)にいる時も、離れている時も、片時もご兄さまのことを忘れることなく、いつも、どうすれば、お兄さまのお気に召すような牝になれるか考え、ご奉仕の際には、御満足いただけるよう、精一杯お尽くしすることを誓います。
3、私たち牝は、どのようなご命令にも決して抗わず、喜んで従います。それが女としてどんなに辛くても、それを悦びと感じるよう努力いたします。
4、私たち牝は、常に、牝にふさわしい言葉遣いと立ち居振る舞いを身につけるよう、心がけます。
5、お兄様にお目にかかった時は、絶対服従の徴として、必ず足元に平れ伏しておみ足に接吻し、それから、スカートを胸の上までめくりあげて、ご挨拶いたします。
6、私たち牝は、命じられたら、いつでも、どこでも、すぐに脱衣して全裸になります。全裸になったときは、お兄様の視線から裸身を庇うことはいたしません。すすんでからだをひらき、牝のからだの隅々までご覧にいれることを誓います。
7、私たち牝は、登校して修学時間中は、お兄様の事前のお許しがないかぎり、けっして、排尿・排便はいたしません。また、お兄様に恥ずかしい姿を鑑賞して頂けるよう、ご指示どおりのポーズで致します。
8、私たち牝は、からだの疼きをすすんでお兄様に告白し、弄んでくださるよう、おねだりいたします。また、一日一回、お兄様の目につくところで、全裸になってオナニーすることを誓います。
9 ご奉仕の命令が下りましたら、足指の先から肛門等まで、舌と唇で全身でご奉仕し、「やめ」とのご命令が下るまで、何時間でも続けます。
10 私たち牝に「牝奴隷心得」に反するような言動があるとお考えになれば、いつでも、どこでも、私たち牝をひろげて、ご存分にお仕置きしてくださいませ。お兄さま好みのかわいい牝になるということがどのようなことであるのか、躾けて、からだで覚えさせてくださいませ。
11 鞭を受けるのは、牝の大切なつとめです。お気の済むまで私たちの躰をご存分にお打ち据えくださいませ。また、鞭以外にも、いろいろな器具で牝のからだをお愉しみくださいませ。私たちはけっしてそれを厭わず、責めを悦び、責めを恋い焦がれて仕置きの時を待ち侘びるようなからだに仕込んでくださいませ。
12 私たち牝は卒業するまでに必ず、牝畜化するよう精一杯努力し、肉市場で高値でのお取引ができるような商品になれるよう、務めます。
お兄様 様へ
牝奴隷一同
何台ものカメラが回っている。自動的に録画され、牝畜販売促進のためのプロモーションビデオとしても利用されているのだ。理事や評議員はいつでも、商品チェックのため、理事室やサロンで再生して鑑賞できるようになっていた。
豪奢な理事室では、哀れな娘たちが涙声で、かぼそく誓うのを二人の男が談笑しながらモニターを見つめている。
「どうだね、佐治さん。あの3列目の左から2人めの娘は?だいぶ胸も大きくなったようだし、随分と色気がついてきたようだな。そろそろ売り時じゃないかな?」
「ああ、2年Dクラスの佐伯久美か。たしか母親の早紀が先日マカオに売られたばかりと聞いたな。が、胸肉の発育はもひとつじゃないかな。母牝のようなパイ摺り奉仕ができるまではまだ2年はかかるじゃろう。それまでは辛抱じゃないかね。」
「ハハハ・・・、何、かまうもんですか。十分に開花しきっていない牝を散らすのも、なかなか味があるもんですぞ。先日も、儂の甥っこが転校してきたばかりの中一の牝を破瓜させて血塗れにしたんですがね。夜明け近くまで牝の絶叫を愉しんだと言っておりましてな。」
理事の佐治と金井は、女体ビジネスで財をなしたといわれている。今日は月1度の定例理事会への出席と、商品チェックのために出張ってきたのだ。
足下には2匹の全裸の牝奴隷がひざまずいた状態で、懸命に男たちに口唇奉仕をしている最中である。
「うっんん、うぅっん、うんん・・・・・」
「うんっ、うっんん、うぅっん、んんん・・・・・」
悩ましい声をたてながら、懸命に怒張した男たちのペニスを舐めあげ、頬をすぼめ、しゃぶりたてている。主人達の会話も耳に入らない様子である。奉仕ぶりに少しでも粗相があれば、どんな怖ろしい淫虐な仕置きを受けることになるか、身に沁みて知っているからだ。
ときおり、そっと唇を離して、おどおどと媚びと怯えを含んだ眼差しを向ける。
「美由紀、お前、胸のサイズはいくつだったかな?」
鞭の柄でぐい、と顎を上げさせられて、声をかけられた牝は豊満な乳房をフルフルとふるわせて応えた。
「はい、みゆきのおっぱいは、92センチです・・・」
「麗子、お前はどうだ?」
「はい、だんなさま・・・麗子のおっぱいは、95センチです・・・」
麗子もブルンブルンと左右に乳房を揺すってみせながら応える。二匹とも、もとはといえば、党政治局員の夫人であったが、夫が粛清されてた結果、牝畜に身を緒とされ、かつての自分たちの部下であった男達の家畜として下げ渡されれ、飼育される身になっていたのだ。今では心身ともにすっかり畜化され、変貌も著しい。一命だけは許されたものの、肉体改造を施されて、かつての令夫人としての面影は欠片も残っていなかった。
乳首と性器は穿孔されてカネのリングが付けられている。ツルツルに陰毛を剃り落とされて剥き出しになった恥丘には、無惨にも牝の徴しであるハート形の焼き印が捺され、奴隷番号が刻み込まれている。額にも「牝」という烙印が押されていた。それでも、彼女たちはまだ、運が良い方なのかもしれない。移植用臓器として処分場で屠殺されて、あるいは国外に売却され、帝国植民地の労働者専用の性欲処理具として、末端の家畜牧場に叩き売られることも珍しくないからだ。
とはいえ、二人とも上流階級の夫人であった気位も矜持も失って、今では主人の顔色を絶えずビクビクと窺い、主人の気にいるような肉の奉仕のことばかり考える、哀れなマゾ牝に堕していた。かつて主人の部下であった下僚の牝に堕ちた屈辱感もすでに消え失せ、主人と言葉を交わすときは、できるかぎり、牝に相応しい淫らで露骨なセリフを平然と口にし、頬を紅潮させ、瞳を潤ませて、からだをすり寄せ、顔色をおずおずと窺う風情である。眼が合えば恥ずかしそうにニッコリと笑いかけて乳房をフルフル揺すってみせ、淫婦そのものであった。
「おや、佐治さん。この牝は孕んでいるようですな。2ヶ月ぐらいですかな。」
なだらかな曲線を描いている麗子の白い腹から無毛の亀裂を舐め上げるように観察していた金井は、牝の僅かな腹の膨らみを見逃さなかった。
「あ、ハハハ、お気が付かれましたか。さすがは金井さんですな。おっしゃるとおり、先の座敷ショウに出演させたときに孕みましてな。おい、麗子、よくご覧に入れるんだ!」
「は、はい・・・・」
年増の牝は乳房を両手で庇うようにして、おずおずと立ち上がると、金井の前に正面を晒した。
「ほう!」
金井は手を伸ばして、牝の秘丘を撫であげ、ハートの烙印をなぞりながらねっとりと訊ねる。
「誰の子を孕んだんだね?」
牝は、あぁっ、と悲哀の表情を美しい横顔にいっぱいに漲らせる。答えられるはずがない。連日のショウで夜を徹しての肉交場面を満座の中で繰り広げた結果なのだ。
「麗子、お答えせんか!」
佐治は笑いながら、牝の乳房にピシリ、と一鞭当てる。
牝は、ひぃっ、と一声泣いて激しく首を振る。
「答えんかい!主人に恥を掻かせるつもりか?」
佐治が凄みある声で牝を叱声する。
麗子は、喉から絞り出すような泣き声で愁訴した。
「ご、ごめんなさい、ゆ、ゆるしてっ・・・わ、分からないんです・・・・麗子は、ご命令があ、あれば、い、いつでも、どこでも、ま、股をひらく牝ですもの・・・うぅっ、だ、誰のあ、赤ちゃんか、わ、分からないの・・・」
無理難題に牝は泣きながら愁訴する。牝が応えられないことを知りながら、答を強要し、またそれを仕置きの口実にする、それは牝の躾の基本でもあった。
「口答えするような不埒な牝は仕置きにかけなきゃいけませんな、佐治さん。儂のところでは、こういう場合は、牝はお○んこ打ち10発は免れんのですよ。」
隣のみゆきも頬を強ばらせ、ブルブルふるえている。
「みゆき、お前の方ははまだ孕んでないんだな?」
金井は、隣で蒼い顔で俯いて怯えきってふるえているみゆきに声をかけた。
「は、はい・・・・ご、ごめんなさい・・・・ま、まだで・・・す・・・・」
牝は消え入りそうな声で応える。
「うむ、牝としてのつとめが十分でないってことだな?え、」
「ご、ごめんなさい・・・お、お許しを・・・・こ、この次のショ、ショウ・・・・お、お○んこショウで、みゆき、きっと、きっと孕みますっ・・・孕んじゃいますぅっ・・・」
主人の機嫌を損じたときの恐ろしさは想像を絶した。牝は必死で甘い声で媚びを売り、おどおどと主人の顔色をうかがう。豊かな乳房を振るのも忘れなかった。
「よし、その言葉を忘れるんじゃないぞ、いいな。みゆき!」
「はい・・・」
「続けい!」
再び、牝たちは跪いて、二人の主人の足下にひれ伏し、舌先を長く伸ばして、足の甲から丁寧に舐め始める。
「佐治さん、会議の終了後に授業視察ですから、さっきのお目当ての牝は、そのときに連れ出せばよろしいでしょうかね?」
「いやいや、それだとクラスの男子生徒どもに先を越されるおそれがありますな。担任に事前に連絡して、とりあえず、あの牝をとり押さえておいたほうが確実でしょう。」
「はははは・・・・それはまた、随分とご執心なことで。ついでに、もう2,3匹を差押えておきましょうか。もう一度再生してみましょう。」
口唇奉仕に懸命な二匹の牝の耳には、もう、鬼畜達の怖ろしい会話は入らなかった。
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