第2章 頼子の告白




酒井頼子14歳、中学2年生です。
この5月に、この学園に転入してきました。郷里から遠く離れた僻遠の地に、連れて来られたのは、父の事業が倒産して一家離散したことがきっかけです。
父は行方不明。母も、破産宣告を受けた翌日に怖ろしい3人の男の人に連れて行かれました。以前から母に目を付けていた中学校の校長先生が、頼子の家に来たのはその前日でした。校長先生は、頼子が学業を続けることができるよう、遠いけれども全寮制の女子学園があることを母につたえ、学資等はすべて自分が負担すると約束してくださったのです。
むろんそれは、母に対する肉体を要求したうえでの、交渉でした。


やむをえず、校長先生に抱かれて一夜を過ごした母は、次の日早朝、黒塗りの外車に乗った屈強な男の方たちにいずれかに連れていかれました。手荷物ひとつ持参することも許されず、わずかな肌着だけの姿で、母は泣きながら引かれて行ったのです。母と再会できはのは数年後のことでしたが、それはまた、別の機会にお話いたします。

母が去って、がらんとした家を校長先生が教頭先生とともに、訪れたのは、その直後のことでした。今にして思えばすべて仕組まれ、計画されていたみたいなんです。薬を飲まされて車に乗せられて、何時間も眠っていたみたいでした。


頼子が連れてこられたところは、深い山並みに囲まれた美しい学園でした。煉瓦立ての美しい校舎と、鐘の音が響き渡るガテドラルを見て、ここに来てよかったのかもしれない、校長先生は、思ったよりも良い人なのだと思ったほどでした。しかし、怖ろしい現実はすぐにやってきました。


華麗なシャンデリアが輝き、革張りの豪華なソファー、壁には泰西の名画がかけられたゴージャスな応接室に気圧されて、居心地悪い状態で、数時間待機させられていたんです。やがて、3人の男の方が入ってこられました。いずれも英国製のスーツを身にまとった立派な風貌のおじさまたちです。一人はテレビでも何回か目にした政府閣僚の方で、党の軍事委員長を務められていたKさまでした。

「酒井頼子さんですね。」

慌てて立ち上がった頼子の前に、ゆったりと腰を下ろしたお一人が、分厚い書類に目を通しながら、声をかけられました。

「お母さんのことは心配しなくてもいい。私たちが責任をもってちゃんとお世話してるからね。頼子さんも、ここでの決まりを守って生活をしていれば、かならず会えるようにしてあげるから安心しなさい。」

頼子はただただ、頷くばかりでした。

「成績もとてもいい。校長先生も褒めておられたよ。ただ、ここの勉強は特殊なものだからね、しっかり先生やクラスの男子生徒の指示を忠実に守って、一日も早く期待にこたえるような生徒になりなさい、分かったね。」

「は、はい・・・・ど、どうぞよろしくお願いいたします。」

「よろしい、それでは、裸になりなさい。」

信じられない言葉に、頼子は思わずハッとして、胸を抱きしめました。

「身体検査だよ。全部脱ぐんだ。」

ガラリ、と男の方の口調が変わったのを、頼子は信じられない思いで、見つめました。 酷薄そうな薄い唇がキュッ、と歪み、金縁の薄い眼鏡の奥から射るような視線で、頼子を見つめているのです。

「早くしないか!私たちも忙しいからだなんだよ。手間取らせるんじゃない。」

今まで沈黙していたKさまが口を開かれたんです。

「どうも、この娘は思ったよりも素直でないようだな。送り返すしかないんじゃないかな?」

でも、頼子には帰る家などありません。お母さまもいないあの町で一人で暮らせる筈もないんです。意を決して、頼子はセーラー服のリボンをほどき始めました。
男の方たちは、葉巻をくゆらせながら、頼子の脱衣を見ておられます。
スカートを下ろして肌着姿になったときは、辛さと恥ずかしさで死にたい思いでした。生まれてこのかた、知らない男の方の前で裸になったことなど一度もなかったんです。

「何をモタモタしてるんだね。さっさと下着もとらないか!」

叱咤され、頼子がブラジャーを外すと、横から手荒くひったくられました。泣く泣くパンティーを下ろすと、両手を首の後ろで組むように命令されたんです。

「頼子、ちゃんと立つんだ。もっと胸を張って、脚もひらかなきゃダメだ。」

お一人が太い革製の乗馬鞭を取り出してこられました。頼子は恐ろしさに震えながら、したがう他はなかったのです。

「どうです、Kさま、転入生は?」

「うむ、素質はありそうだ。冴子のような肉奴隷に仕込みがいがありそうじゃないか。しっかり頼むぞ!」

「お任せください。Kさま、母牝の冴子ともどもK様のお眼鏡にかなったかわいい牝畜に仕込んでご覧にいれますから。」

「よし・・・」

Kさまが去ったあと、頼子の身体検査は詳細をきわめたんです。バスト、ウェスト、ヒップのスリーサイズはいうまでもなく、乳間距離とか膣の形、色艶、アナルまでの長さなど、恥ずかしいところを徹底的に検査され、記録されたんです。そして、全身から躰の各パーツの写真撮影が行われました。


「失礼いたします」

辛く哀しい検査が終了すると、ドアが空いて、シスターが顔を出しました。太ったからだを黒い衣に包んだ中年女性は糸のように目が細く、ようやく着衣を許されたばかりの頼子の全身を頭のてっぺんから爪先まで舐めるように見ているんです。

「酒井頼子さんね。学生監の富沢です。これからクラスに案内しますから、ついてきなさい。」


天井の高い、長く暗い廊下を歩いていくと、いやが上にも恐ろしさが募ります。遠くのほうから、若い女性の泣き声とも喘ぎ声ともつかぬ物音が聞こえてきます。先日ここに連れて来られる前に家に押し掛けられた校長先生の相手をしなければならなかった母があげていた声にどこか似ているようでした。それがどのような意味なのかは、まだ幼い私にはわからなかったのです。
階段を上り下りしてようやく2年Bクラスの看板の掛かった教室までたどり着いたのです。


教室は、頼子が今まで通っていた中学校のそれとはかなり違っていました。
部屋全体が一回り広いんです。そして、正面と直角に壁際にゆったりとした肘掛け椅子が5脚ほど並べられて、詰め襟の男子学生たちがゆったりと寛いでいます。そして、正面のホワイトボードに向かって、女生徒の席は20ほど置かれて、セーラー服姿で座って教科書を拡げているところでした。
教育は女生徒向けのものであり、男子生徒はそれを視察し、監督するために同席しているに過ぎないことが後になって知りました。男子たちへの教育は別個に行われるんだそうです。

「今日からこのクラスに配属されました、酒井頼子さんです。皆さん、仲良くしてあげてくださいね。さ、頼子さん、男子の方たちにご挨拶しなさい。」

授業担当の女の先生と富沢さまのが挨拶を交わされたのち、先生が口をひらきました。

「酒井頼子です・・・・ど、どうぞよろしくお願いいたします。」

頼子はあわてて、男子生徒の方に向いて丁寧に頭を下げました。

「うむ、可愛いじゃんか、酒井頼子っていうのか、ちょっと、スカートを捲ってみな!」

いきなり言われて、頼子が息を呑んで躊躇っていると、先生が頼子の肩を後ろから抱いておっしゃったんです。

「ここでは、男子の方の命令は絶対なのよ。躊躇っちゃダメ、可愛い牝になることだけを考えるの。ここでのご挨拶はそうじゃないのよ」

「おい、まどか、お前手本を見せてやりな。」

声をかけた男子が一人を名指しして命令されました。すると、真ん中当たりに座っていた髪の毛の長い女生徒が立ち上がり、男子たちの正面に立ったんです。

彼女はためらくことなく、スカートの裾をつまんで、胸の上まで一気にめくりあげたんです。真っ白いV字形のパンティが剥き出されました。切れ込みの鋭いTバッグです。
 

「分かったわね。これが男子生徒へのご挨拶の仕方なのよ。あのように、おっぱいの上までいっぱいにめくりあげるのよ。」
 

それがこの日の始まりでした。





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