蒼獣への目覚め
ドアの開く音を聞いて、振り返った玲子が目にしたのは、異様な気配を漂わせた康介の姿であった。
「まぁ、こぉちゃん・・・ど、どうしたの、こんな夜遅くに・・」
いつもとは違う康介の目の輝きに、ただならぬものを感じて緊張する玲子。そんな玲子に康介は無言のまま、近づいて行く。
康介は獲物を狙う肉食獣のように、玲子の体に飛びかかった。
「きゃ〜〜っ!こ、こうちゃん・・なにするのぉ〜!じ、冗談はよしてっ!ね、こぉちゃん・・や、やめなさいってばぁ!」
玲子はきっと悪い冗談に違いないと、優しく嗜めるが康介は相変わらず無言のまま、乱暴に母親のランジェリーを引き剥がした。康介の目は別人のように獣じみた輝きを放っている。
「いやぁ〜〜〜っ!」
ようやく玲子は、康介が本気で襲おうとしている事に気が付き悲鳴をあげた。
「くくく・・・ねぇ、ママ・・・俺はこのぷりぷりした尻が、前からずっと欲しかったのさ!」
康介は、そう言いながら母親の尻肉を愛おしそうに撫で回している。初めて見る息子の獰猛な素顔に、玲子は驚きを隠せないまま必死に訴える。
「こ、こぉちゃん・・あなた・・な、なにをしてるか自分でわかってるの・・」
「あぁ、よく分かってるよ!これから母親を犯そうとしてるのさ!」
(ひぃ〜〜〜〜〜っ!)
あまりのショックに玲子の全身から力が抜けていく、康介は乱暴に母親の体を持ち上げるとベッドの上に放り投げた。
ベッドがみしみしと軋みながら激しく揺れ動いている。康介は母親の上に覆い被さり狂ったように腰を突き動かしていた。
「あぁ・・こぉちゃん・・だめ・・だめよ・・」
玲子はうわごとのように繰り返すだけだ。高校生とは思えぬ女の壺を知り尽くしたような息子の性技に、いつしか母親を忘れ一匹の牝と化してゆく玲子。
「ねぇ、ママ・・ママは俺の願いは何でもかなえてくれるんだよな?」
「あぁん・・そ、そうよ・・こぉちゃんの願いなら、なんだってママはかなえてあげるわぁ!」
「くくく・・俺は牝豚になったママが欲しいのさ!」
「あぐぅ〜〜〜っ!い、いいわぁ・・こぉちゃんが望むなら・・ママは・・ママは牝豚になってあげる・・」
「嬉しいよ・・ママ・・」
康介はむしゃぶりつくように母親の唇を奪った。
(あぁ・・こぉちゃん・・ママは、ママはあなたを愛してるわぁああ〜〜っ!)
愛する息子とひとつになった喜びは、母親としての玲子の背徳感すら吹き飛ばす。何の躊躇いもなく玲子は息子の舌に、ねっとりと自分の舌を絡ませてゆくのであった。
(とうとう俺は自分の母親まで牝豚にしてやったぜ・・・)
母親の体内に、思い切り精液を放った康介は、よろよろとベッドから立ち上がった。何故か急に叫びだしたいほど無性に怒りがこみあがってくる。それは救いようのないほど深く暗い己の獣性への恐れと、易々と一匹の牝に成り下がった母親への怒りだったかもしれない。
(ふふふ・・そうさ・・俺は獣・・・そして女は、どいつもこいつも獣に喰われる牝豚なのさ・・・)
いつしか康介の瞳には、あの獣の暗い光が戻っていた。その光は以前にも増して爛々と輝いている。見下ろすと母親は、ぐったりと失神して、まるで何事もなく眠っているようにさえ見えた。やがて何かに憑かれたかのように、ふらふらとよろけながら康介は部屋を出て行く。
人影のない真夜中の街を、あてど無く彷徨う康介。
(獣・・獣・・獣・・・)
康介の脳裏に、止めどなくこの言葉が渦巻いていた。