もうこれで何人目かも思い出せないほど、由美子と智恵は男に抱かれ続けた。狭い小屋の中はむせ返るような精液の匂いに満ちている。この匂いは小屋の中に染み付き昼間でも消え去る事はないのだ。ようやく最後の客が帰った後、二人は魂の抜けた人形のように横たわっていた。うっすら開かれた目には、もう涙すらなく死んでいるように無表情な智恵の横顔。由美子は体を起こすと、無惨に蹂躙された娘の幼い恥部に目を遣った。そこには、まだ乾ききらない白濁の精液がべっとりと太股まで伝い落ちている。そっとティッシュで拭き取ってやる由美子。娘の細い肩を抱き寄せて、小さな声で囁いた。
「智恵ちゃん、ごめんね・・・」
由美子は娘の肩を抱いたまま、いつしか深い眠りに落ちる。月明かりの照らす、天女のように優しい寝顔に一筋の涙が、つぅーと伝い落ちた。
ー完ー
天女の涙