香港に啼く牝獣

                        
                     #女体商人


どんよりと曇って星ひとつ見えない夜だった。時折、物悲しい船の汽笛を秋の風が運んで
くる。男はホテルの窓から、じっと港の夜景を見下ろしていた。そこには様々な国籍の貨
物船や客船が何艘も繋留されている。波止場の照明灯の下に4〜5人の人影が佇んで
いるのが男には、まるで小さな小さな、おもちゃの人形のように思えた。

(明日はいよいよ出航か!これで、またしばらく日本ともお別れだが、今度の取引は、今
までにない収穫だった。きっと香港のボスもお喜びになるだろう!ふふふ・・)

男は声を立てずに笑いながら手にしていたワイングラスを傾け、一息に飲み干した。そして
窓から離れると広い部屋の中央に置かれた大きなテーブルに歩み寄り再びワインのボトル
に手を伸ばそうとした丁度その時、ドアをノックする音が聞こえた。緊張した面持ちでドアに
歩み寄る。一瞬、ドアの外の気配を伺った後、用心深そうに、ゆっくりとドアを開いた。

「おぉーっ、これは相沢さんじゃありませんか!どうぞ、どうぞ、なか、お入りください!」

すっかり緊張を解いた男は満面の笑みで来客を迎え入れた。

「やぁ〜、リーさん、明日の朝早くお発ちだと聞いたんで、お別れの挨拶にと思ってね!
ちょっと仕事の方が手間取ってしまったもんで、こんな時間になってしまったが・・」

「いえいえ、わざわざ相沢さんに来て頂けるとは思っても見なかった!とても嬉しいで
す。」

リーと呼ばれた男は相沢の手を、がっしりと握りしめて喜びを顕わにする。相沢もそれに答
えてリーの手を握り返す。

「さー、さー、こちらへ!お別れに一杯やりましょう!」

リーは、嬉しくてたまらないという風に相沢をテーブルに誘った。

「ちょっと、その前に実は、リーさんへの贈り物を用意してきたんだ。」

そう言って相沢がドアを開けると、コートを羽織った二人の女性が、おずおずと中へ入って
きた。怯えたように顔は伏せたまま肩を小刻みに震わせている。

「相沢さん、これは一体?」

リーは驚きの目を相沢に向ける。

「ふふふ・・、ちょっと驚かせてやろうと思ってね!リーさんには、こちらも随分お世話になっ
てるから、ほんの俺からの気持ちだよ! おい!お前達!リーさんに、ちゃんと御挨拶しな
!」

相沢の声に、ぴくんと体を震わせると二人の女は泣きそうな顔をしながらコートのボタンを
外して前をはだけた。真っ白な肌がリーの目に飛び込んでくる。更にコートを肩から滑り落
とすと、そこには一糸まとわぬ全裸の二人の女が消え入りたいような羞恥に、乳房と股間
を両手で隠しながら、真っ赤に頬を染めて震えながら立っているのだった。

「おぉーっ、こ、これは素晴らしい!私も商売がら沢山の女、見てきたが、これだけの上物
は、なかなか手に入らないね!こっちの女体は乳房と尻の肉付きが最高ね!それにこっ
ちは、まだ処女の幼い肉付きね!この年頃の女体は香港でも調達するのに苦労するよ!
おまけに二人とも別嬪さんね!歳は、こっちが35でこっちが16ってとこか?これは母と娘
に違いないね!」

普段は流暢なリーの日本語も、すっかり興奮したせいか、変ななまりが入いるのを聞いて
相沢は思わず、くすりと笑った。

「驚いたね!歳もぴったりだし、娘は処女だよ。さすがは、香港でも指折りの女体商人だぜ
!」

リーは相沢の言葉も聞こえないかのように、二人の女体を値踏みするのに夢中になってい
た。乳房の具合を確かめるように揉みまわしているかと思うと、今度は女達の背後に廻っ
てしゃがみ込み、一人ずつ真っ白な尻たぶを桃でも割るかのように押し広げて肛門をチェッ
クする。まるで牛や馬の品定め同然に扱われる耐え難い屈辱に母と娘が咽び泣く。やがて
、ようやく落ち着きを取り戻したリーが口を開いた。

「いやはや、これはホント、素晴らしいの一言に尽きます、相沢さん!今度の日本で仕入
れた20人の女体も、どれも素晴らしいが、この母娘は別格です!ほんとに貰っても良いの
ですか?」

「あぁ、勿論!リーさんとは長い付き合いだし、ずいぶん儲けさせてもらったからね!そんな
に喜んで貰えて俺も嬉しいよ!」

「それにしても、こんな美しい母娘を、どうやって手に入れたのですか?是非聞かせてくだ
さい!」

リーはテーブルに歩み寄ると、ふたつのグラスにワインを注ぎながら相沢に尋ねた。

「ふふふ・・、それは企業秘密って事にしといてくれよ!リーさんも知っての通り、俺の裏稼
業は女体の売人、そして本業は私立探偵事務所の所長って訳だが、この探偵ってのが、
女を調達するには何かと重宝する商売でね!女の素性や身辺情報の入手はお手の物
だし、ついてる時には様々な傷や秘密を抱えた獲物が向こうから飛び込んでくる事だって
あるのさ!なぁに、これも俺の本業から転がり込んだ、おこぼれみたいなもんでね!」

相沢はグラスを受け取って、一口飲み込むと美味そうに溜息を吐いた。

「ところで、あしたの明け方前には出航するそうだが、女共の積み込みが無事に終わった
ようで安心したよ!」

リーが、にっこり笑って答える。

「ええ、お陰様です!今回は相沢さんの御盡力で、上質の女体が沢山、手に入りました。
香港では日本人の女、とても高く売れます!それにしても、この母娘は思いがけないプレ
ゼントで、とても嬉しい!香港までの船旅は長いです、その間に、たっぷりと磨き上げてや
る楽しみが出来たね!」

相沢は、満面の笑みを浮かべて話すリーの言葉に笑顔で頷きながら、これから香港に連
れて行かれる女達の悲惨な運命を思い浮かべていた。今頃、船の仲では家畜同然に全
裸にひき剥かれた女達が不安に怯えながら肩を寄せ合って泣いている事だろう。香港ま
での船旅の間、リーを始めその仲間達によって様々な調教が施される筈である。もう女達
が人間として扱われる事はない。日本人の牝家畜として様々の淫らな性技を覚え込まさ
れて、ある者は、秘密クラブのキャバレーでジャパニーズウェイトレスとして全裸で客の注文
を取りに廻らされ、客の希望とあれば、その場で口唇奉仕でも媚肉奉仕でも、なんでもや
らねばならぬのだ。またある者は見せ物小屋で淫らなショーのステージに立たされるかもし
れない。だが、本当の地獄がまだまだ他にある事を相沢はリーに聞いて知っていた。

「さぁ、相沢さん!これからも我々の商売が上手く行く事を願って乾杯しましょう!」

リーの言葉に、ふと我に戻って相沢はグラスを差し出す。

「それと、航海の安全を祈って!」

チャリンとグラスが触れ合う音が響いた。

「実を言うと相沢さん、さっきから、この母娘の女肉検査をやりたくてウズウズしてるのです
!とても明日まで待ちきれないね!」

リーの視線が先程から、ちらちらと母娘に注がれているのを知っていた相沢は苦笑しなが
ら頷いた。

「あぁ、いいとも!オマンコから尻の穴まで存分に検査してやってくれよ!もう充分すぎる
位、今後の身の程は叩き込んであるから何の抵抗もしないぜ!」

男達の会話に体を震わせて怯える母娘。すでに相沢から聞いて自分達が、香港に連れて
行かれ牝家畜として売られる運命にある事を知っていた。そうなる道しか残されていないと
言う事も・・・

「ふふふ・・では早速、母親の方から調べさせて貰いましょう!さぁ、このテーブルの上に上
がって四つん這いになるのです!」

それまでの、穏やかな口調から一変してリーの声が厳しくなる。堪えきれずに泣きだした
娘を思わず抱きしめて優しく髪を撫でてあげる母。やがて思い切るように娘から離れると、
検査台となるテーブルの上で屈辱の四つん這いとなって女盛りの真っ白なヒップをリーの
眼前に差し出した。

「ど、どうぞ、存分にお調べくださいませ!」

捻った横顔をテーブルに擦りつけて双臀を高々ともたげ、自ら検査をお願いせねばならぬ
屈辱と、こらから行われようとしている女肉検査への恐怖に顔を引きつらせて震えている
母の姿を前にして、娘の目から涙がボロボロこぼれ落ちる。

「どうやらホントに身の程が分かってるようですね。クククッ・・あなたが、とても気に入りま
した。これからじっくりと女肉と肛門の具合調べさせて貰うよ!」

リーは、その顔を嗜虐の喜びに妖しく歪ませて、いつも肌身離さず持ち歩いている小さな
豚皮のトランクを開いた。色褪せてあちこち破れかかった、そのトランクの中には女体を苛
む為のおぞましい道具が所狭しと詰まっているのだ。

「先ずは、これから喰わえてみて貰おうかね!」

リーが、そう言って手にしたのは、男根をかたどった張り型である。だがそれは単なる大人
のおもちゃと言った代物ではない。太さは大人の腕ほどはあるであろう、そして亀頭にあた
る膨らみの部分には、見るからにおぞましいイボイボに覆われている。しかもひとつひとつの
イボの先端には、極短く刈り込まれた馬の毛が、びっしり植毛されているのである。

(ひ〜〜っ!)

それを見た検査台上の母親の目が恐怖に見開かれる。そんな様子を楽しげに見やりなが
らリーは黙々と作業を続ける。先程のトランクから今度は小さな薬瓶を取り出し、その中の
とろりとした液体を指で掬い取ると、愛おしそうにイボイボの先端の植毛部分に塗り込んで
いくのであった。

「ふふふ・・・これは中国秘伝の催淫剤です。このイボの先端にたっぷり塗ることで、子壺
の中から女を狂わせるのです!」

興味深げに眺めている相沢に、リーがにやりと笑って説明する。やがてすべて塗り終える
とその巨大な張り型の先端はぬめぬめと黒く濡れ光って、より一層おぞましさを増してい
た。それはまさに牝家畜用に特注された道具そのものだったのだ。女として喜ばせる為で
はなく牝家畜を淫欲の炎の中で地獄の苦しみにのたうち回らせる為の・・・

「さぁ、準備が出来ました。あなたの女肉の味をたっぷり味あわせてやるのです!」

リーは片手の指で秘裂を左右に押し広げると、強引に張り型を食い込ませていく。

(くぅう〜〜〜っ!)

乾いた女陰に巨大な張り型を情け容赦なく突き入れられる苦痛に肩を震わせながらも娘を
怯えさせまいと必死に声を出さないよう歯を食いしばって耐える母。その秘裂は無惨な程
に押し広げられはち切れんばかりである。

(こりゃ、凄い眺めだぜ!話には聞いていたが、牝家畜用に使われる道具が、これほど残
酷な代物だったとは・・)

さすがの相沢も、あまりに酸鼻な光景に声も出なかった。今では先端の亀頭部分がすっぽ
りと入って、なおもぐいぐいと押し入れられてゆく。

「ひぃ〜〜〜っ!」

ついに耐えきれずに、凄絶な悲鳴をあげる母。

「ふふふ・・・子供を産んだ身で、この程度の事に耐えられない筈はないね!」

リーは非情な笑みを浮かべて苦痛にうねり舞う白い尻をぴしゃりと平手で打ち据える。

「あひぃ〜!、も、もうお許しを〜」

すでに娘を思いやる余裕は無くなっていた。巨大な張り型を喰わえ込まされた苦痛と、じ
わじわと効果を発揮し始めた催淫剤の焼けるような感覚で気も狂わんばかりである。

「あぉ〜〜〜〜っ!」

獣のような叫び声が絶え間なく響き渡る。四つん這いの体を狂ったようにうねらせて悶え
苦しむ母親の姿に、娘の体が恐怖で打ち震えた。母親の次は自分が、あの検査台に昇
らされるのだ。

「ふふふ・・・何度見ても牝家畜が泣き喚く姿は堪らないね!」

残酷にもリーは、挿入した張り型をぐりぐりと掻き回す。

「ぎぇ〜〜〜〜っ!」

腹の底から絶叫する。その目はもう半ば白目を剥いていた。だがその女肉からは夥しい
淫汁が滴り落ちている。

「私の目に狂い無かったね!この女、立派な牝家畜になれます!」

リーはそう言って、相沢に満足そうに微笑んで見せながら、太い指を女の肛門にずぶりと
差し入れた。

「あひぃ〜〜〜〜っ!」

ひと際、けたたましい悲鳴が響き渡る。それを楽しむように指先をくの字に曲げて肛門の
中を掻き回す。

「やっぱりジャパニーズ牝家畜の鳴き声が一番ね!さぁ、もっと良い声で鳴きなさい!良
い鳴き声をあげるのも牝家畜の大事な勤めなのです!」

相沢の目の前で、悲痛な絶叫と共に、苦痛と淫欲に真っ白な四肢がうねり狂う。その姿は
白い獣そのものであった。やがて母親の淫汁をも吸い込んだ恐ろしい張り型で、娘の処女
をも情け容赦なく破られるのである。それが牝家畜として女体商人の手に堕ちた哀れな母
娘の定めなのだ。相沢は傍らに置かれているワインのボトルを鷲掴みにして、グラスに赤い
液体を注ぎ込んだ。リーは相沢の存在も忘れたかのように、悶え蠢く白い尻に恍惚の視線
を向けたままだ。

(我が友、女体商人リーに!そして女達の地獄の船出に乾杯!)

そっと笑みを浮かべて相沢は、燃えるように赤い液体を飲み干した。





                      -女体商人(完)-